2022年8月2日火曜日

NK-28AM 28MHz AM Transceiver (CB modify)

 

NK-28AM

 最近28MHzAMが結構話題になっている。そんな時、断捨離中に物置にCB機があった。
これなら簡単に改造できると思い改造することとした。とはいっても回路図もなく、結構難儀をした。色々NET検索をしたら、幸いにも回路図や、PCBパターン図、サービスマニュアルが入手できた。

【STARKERⅦ】
 このCB機はUNIDEN製でアメリカ仕様のようである。
送受信回路は概ね標準委近い回路である。その中でも色々工夫がされている。参考になるところも多い。
 VFOはPLL(uPD2816C)CB専用であり、CH数、CH9などが設定されている。この為流用はできない。ここはDDSに変更した。
 受信部は、第一中間周波数10.695MHz、第二中間周波数は455kHzと標準的。第一が10.695MHzとなっているのは、PLL基準が10.24MHzなので、455KHzにダウンコンバートするためこの周波数となっている。
 uPD2816Dの入力はせいぜい2MHz程度のため、VCOの出力をこのレベルに落とす工夫がされている。まず、uPD2816Cから基準の1/2(5.12MHz)が出ているので、これの3倍高調波(15.36MHz)を作りVCOとMIXし1MHz台を作り出している。
 受信はVCOを第一ミクサーに直接入力。送信はVCOにやはり基準の10,24MHzを入力し作り出している。これにより1クリスタルで全てを作り出している。お見事。
 送信は 2SC2076-2SC1957-2SC1306と定番。受信回路では、本格的(?)なノイズブランカ、ANLがあり、さらにAMスケルチ(Sメータレベルを利用)も着いている。
 さらに送受信は、リレーを使用せずダイオードスイッチで全て行っている。特にスピーカーの切り替えは、マイクのトークスイッチで、送信時スピーカーのコールド側を切るという技が使われている。最初音が出ない、故障かと思ったが、マイクを接続しておかないと音は出ないのである。賢い。
 以上概略である。

Block Diagram

メイン回路図

VFO回路図

【Modify】
 さて改良であるが、PLLが流用できそうもないので、DDSを使ったVFOとした。至ってシンプルなものである。特に説明は不要と思われるが、改造の要点をまとめておくのでBlock Diagramと参照頂ければと思う。

  1. DDSは、Arduino nanoでAD9850を制御。ロータリーエンコーダーで周波数変更。周波数ステップは、100Hz,1kHz,10kHz,100kHzの4段でUP,DOWNスイッチで変更。AMなのでkHzとした。VFOはA,Bの2チャンネル。電源OFF時の周波数も含めてEEPROMに書き込んでいる。
  2. 表示回路は、MAX7219を使用した7セグメント8桁で周波数を表示。0.96inchOLEDでVFO A/B周波数とステップを表示した。でも小さくて読めない。(老眼では)
  3. DDS出力を受信第一ミクサー(2SK19)に直接入力(-7dBm)。送信ではミクサーTA7310に10dBアッテネーター経由(-17dBm)で入力し10.24MHzとミックスして目的周波数を作っている。
  4. 送受信の同調回路は、概ねコアの調整でOKであった。ファイナル2SC1306のコレクタに入っている100pFだけ撤去した。
  5. メーターランプをLED化した。
  6. 概ね元の機能は維持しているが、ΔTUNEのみ無効となっている。AMということと、DDS化したので不要と思われる。

リンク
  回路図、arduinoスケッチ
  受信風景 (YouTube)

 【感想】
 受信は意外に高感度であり、音質もよい。内部ノイズも少なく、アンテナを外すとほとんど何も聞こえない。
 送信は4W強。Eスポさえ出れば十分使える。必要ならばリニアを接続すればいい。
結構実用機に仕上がった。

各局 28MHz AMでQSOしましょう!!