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2017年12月28日木曜日

Linear Amplifier for Knobless Wonder

 最近VK3YEが公表したKnobless Wonderという究極のSSBトランシーバーを製作した。コンディションによっては全国とQSOできる事は大きな驚きであった。しかし出力2Wで、最近の電波コンディションの悪さからなかなかQSOが出来ない日もある。。そこでお助けマシーンとしてリニアアンプを作った。

 10Wも出ればいいのであるが、部品箱を漁っていたらMRF255が出てきた。一時秋月で格安で放出されていたのでお持ちの方も多いと思う。IMDがあまり良くないとか言われているが、軽く使うには手ごろなFETと思う。電源電圧12Vで使えるところもいい。
 回路は作りやすさ、確実性、効率をある程度考慮した。
 入力のマッチングはいろいろ難しい。今回は広帯域とし、直結、4:1、1:4と比べてみたところ1:4が一番効率が高かったことから採用した。思ったより入力インピーダンスが高いようだ。
 Knobless Wonderが2W出力なので3dBアッテネーターを付けて1Wでドライブするようにした。
 出力はLCの狭帯域としている。これは効率を高めるためとKnobless Wonder専用とするためである。アイドリング電流は400mAに設定している。これでピーク35Wまで出力できた。
 入力回路も狭帯域にすれば50Wが可能と思われるが、手軽に作れることと10W出力できれば十分と思い、これで完成とした。ピークIdは8A程度であった。
 尚、出力にはLPFが必須である。今回シングルFETなので2次高調波をよりカットするため、定K型2段プラス極付き(14MHz)とした。結果としては法令に対しぎりぎりであった。今後製作する場合は定K型3段プラス極付がいいと思う。



Recently  I made the ultimate SSB transceiver called Knobless Wonder(VK3YE). On the good condition, It's possible to QSO with the whole in my country(JA). It's was a big surprise. However, with 2W output, there are days when QSO can not be done quite easily due to poor radio condition recently. . So I made a linear amplifier.

 I hope to get 10 watts. I found MRF 255 from the parts box.
 It is said that IMD is not good, but I think that it is reasonable FET to use lightly. It is also nice to use it with a power supply voltage of 12 V.

The circuit considered ease of manufacture, certainty and efficiency to some extent.

Matching of inputs is difficult. This time it was adopted because it was broadband and compared with direct connection, compared with 4: 1 and 1: 4 where 1: 4 was the most efficient. It seems that input impedance is higher than I expected.

Since Knobless Wonder is 2 W output, it was designed to drive with 1 W with a 3 dB attenuator.

The output is a narrow band of LC. This is to increase efficiency and to be dedicated to Knobless Wonder.
Idling current set 400 mA. With this, we could output up to 35 W peak.

It seems that 50 W is possible if the input circuit is narrowband type LC, but I thought that it would be sufficient if we could produce easily and 10 W could be done, and it was completed with this. The peak Id was about 8 A.

Incidentally, LPF is indispensable for output. Since it is a single FET this time, in order to cut the second harmonic wave further, it is set to constant K type 2 steps plus polar filter(14 MHz). As a result, it was marginal to laws and ordinances. If you plan to make it in the future, I think that it is good to have fixed K type three-stage plus polarity.

Let's enjoy Homebrew.

73's
JA2NKD Ryuu

2017年6月24日土曜日

7MHz Receiver with Si5351 PLL VFO

 2016年5月にSi5351 PLL VFO カラーLCDの7MHz受信機をUPした。これがArduinoをスタートするきっかけとなった。お世話になっているKさん、JH8SSTさんの協力を得て製作したものである。この受信機ではSi5351というPLLクロックジェネレータをVFO及びキャリアオシレーターとして使用されている。またRFアンプ、ミキサー、検波にJーFETカスコードアンプを活用している。これらはN6QWが発表されているものを参考としている。VFOは彼の製作したものそのものである。非常に魅力的な技術が豊富に含まれている。
 暫く使用していたが、少しノイズが多いのが気になり知らべていたが、どうもロータリーエンコーダーを回していくとノイズが乗ってくる。
 Si5351は3周波が出力でき、今回VFOとキャリアOSCの2周波に活用している。VFOを可変したときSi5351からのキャリアOSCも同時に書き換えられているようだ。(同一周波数)キャリアなので変更する必要はないのであるが、プログラミングの都合であろうとあきらめていた。Si5351は1周波出力で使うしかないと思っていた。
 今回JA2GQPさんがSi5351のコントロールを検討し2周波でキャリアOSCにまったく影響しないプログラムを発表された。またLCDも小生のArduino VFO(Ver2)1.8inch仕様を手直ししていただけた。今回、これを基に受信機を改造することとした。
Before

 改造の要点は、

  • Si5351VFOコントロールを変更
  • LCDを1.44inchから1.8inchに変更
  • SSB検波回路をカスコードアンプからDBMに変更
ArduinoによるSi5351コントロール及びLCDの改良はJA2GQPさんにご尽力いただいた。詳しくはGQPさんのBLOGを参照願います。今回Si5351のコントロール変更がメインであるが、周波数のメモリー機能も追加されている。OFF時の周波数、モードでON時に立ち上がる。これはプログラミングのみで実現されている秀逸なものである。感謝 感謝
 主に2.2inchを多用してきたが、最近中華から入手が難しくなっている。まだいくらか入手しやすい1.8inchTFTを使用。画面も小生が発表しているVFO画面を基にしている。
 検波回路は、N6QWが発表されているFETカスコードを使用したものであるが、少々歪が気になっていた。今回Si5351のキャリアOSCの出力を最大値に設定して+11dBm程度確保できていることから、無難なパッシブDBMに変更した。これにより音質も安定した。
 尚、今回もVFO,キャリアOSC両方を送信機とのトランシーブ用に出力している。これら信号はトロイダルコイルを使用した2分配で出力している。これらもSi5351で強力な出力が得られたお陰である。このようにSi5351がAD9850DDS等と比べて少ない消費電力で強力な出力が得られ、さらに150Mhz位まで出力できることは大きなメリットとなる。
 アウトドア用トランシーバーやVHF関連機器にも活用が広がる。尚且つローコストで入手できることは非常にありがたい。
 参考に今回機会があったので、手持ちのキット受信機(BitX40,EFE-40)と聞き比べをしてみた。
 You Tube  Homebrew RX VS BitX40 VS EFE-40

 勿論回路構成が違うので比較にはならないであろうが、オリジナル受信機は色々変更し改良できるところが面白い。今後も更なる機能UPをしていきたい。
 尚、今回Arduinoにはアイテンドーの「あちゃんでいいの」を使用している。殆どATmega328単体で省スペース、ローコストになる。機能はArduino-UNOである。
 Arduino-VFOに関しては小生のBlogやJA2GQP氏のBLOGを参照願いたい。

73’s JA2NKD

After

Inside

Arduino & Si5351

back veiw
Schematic

2017年5月30日火曜日

BitX40 added DDS VFO

 BitXトランシーバーは世界中でベストセラーとなっているQRP SSBトランシーバーのようだ。ネット検索やYou Tubeでも多くがヒットする。もともとは20m(14MHz)のようであるが40mやマルチバンドへの改造も見けられる。Hendrick QRP-kits(現在Pasific Antennaという名前に変わっている)で今も販売されている。QRPerの方々には周知のことと思う。たまたまebayを見ていたらBitXの基板や部品が販売されており、40m対応基板もあった。そこで当然ポッチした。非常に格安であった。基板はVer3Bタイプである。
 最近ではVer4でチップ部品を使った完成基板が販売されている。これを購入すれば簡単にSSBトランシーバーが出来る。作ることが楽しいのであえて基板購入とした。
Front
暫く多忙で手付かずであったが、やっと製作にかかれた。どうせ作るのなら自分が作成したDDSVFOを組み合わせるのが良かろうとスタート。
 回路図等はNETで入手できると思うので省略している。製作過程で何箇所か改良する必要があったので、その内容を中心に書いている。

【回路の特徴】
 回路を見てみると非常に特徴のある回路だ。多くのキットがSA602,SA612といったICを多用しているのに比べ、BitXでは殆どがバイポラートランジスタで構成されている。AGCを除けばAFアンプのLM386だけがICである。
 その次に特徴的なのは、送受信用アンプを入出力逆にしてコンデンサーで接続し、切り替えはダイオードを通しコレクタに電源を供給している。回路の一部(Fig1)を載せておくので見ていただければ理解できると思う。これは入力容量と出力容量が合成されるので高い周波数では難しいと思われるが、14MHzあたりまでは問題なく動作させられるようだ。さらにトランジスタ増幅回路には同調回路が無く、コレクタ負荷は総て抵抗となっている。このことによる増幅度やイメージ混信等が気になるところである。出来上がりで評価したい。
 受信部の構成は、BPF+RF1段+ダイオードDBM+IFAMP+X'talフィルタ+IFAMP+SBM検波+AFプリアンプ+PAアンプとなっている。
 送信部は、マイクアンプ+SBM変調+RFアンプ+X'talフィルタ+RFアンプ+DBM+RFアンプ+RFアンプ+ドライバーアンプ+ファイナルアンプ+LPFとなっている。
Block

【製作&改良】
 製作の過程で幾つか問題が発生したため、オリジナルから変更している。

  1. BPF
     入力部分のバンドパスフィルタについてオリジナルではBitX20から変更する場合、100pF+27pFと指定している。この通りに製作したが同調点が無かった。コイルを測ってみると2.3uH~3.61uHであった。計算しなおすと161pFとなるので、100PF+68PFに変更した。(Fig.3)これでピークが現れた。これをスタガ同調調整でバンド内均一となるように調整した。-3dB帯域で380kHzとなった。この調整にはスペアナ等があると簡単である。しかしスペアナは高価である。小生作のRFアナライザーがお勧めである。是非製作してみてください。(宣伝 笑)
  2. AGC
     AGCはオリジナル回路を使用しているが、マニュアル通りAFボリュームの1次側から取り出すとどうもおかしくなる。どう調整してもうまく聞こえない。AGCへの入力レベルが強すぎる感じがした。そこで前段アンプのベースから取り出してみた。これによりどうにかうまくAGCが制御できるようになった。(Fig.4)AFによるAGC検出は初めてであり、尚且つIF1段のみの制御である。これには当初から予想されたことであるが、今一歩である。どうにか使用できる範囲に調整することが出来たが、超スーパーローカル局を受信すると完全にIFがOFFとなってしまう。やはりダイナミックレンジが取れていない。回路上致し方ない。そこでTOPにアッテネーターをつけようと思いスイッチを用意した。実際にはまだ付けていないが。
  3. マイクアンプ
     送信試験をしたところ、マイクゲインを上げていくと発振することが判明。高周波の回り込みではないようだが、原因不明。そこで、マイクアンプを2段から1段に変更したところ発振は収まった。ゲインも十分のようである。最新のBitX40Ver4では1段になっているところを見ると、同じような症状があったのかもしれない。(Fig.2)
  4. キャリア漏れ
     キャリアヌル調整をしたが、どうも今一。調整用ボリューム、トリマーはかなりクリティカルで完全なヌルには調整できなかった。エキサイター最終試験でも辛うじて-40dBであった。ここは見直しをしたいところであるが、大幅な改造となるので原回路のままとしている。
  5. DDS VFO
     オリジナルはLC発振のVFOでバリキャップで同調を取るようになっている。周波数が3MHzと低いのでそこそこの安定度にはなると思うが、ここは当初から小生作ArduinoコントロールのDDS VFOを採用することに決めていた。
     このVFOはDDS周波数=送受信周波数+キャリア周波数となっているが、BitX40ではDDS周波数=キャリア周波数ー送受信周波数であるため、スケッチ変更している。
     このTFTLCDにはSメーターも表示できるが、今回Sメーターはアナログメーターとした。特に意味はないが、何か受信している気分がいい。送信インジケータは表示させている。
     ここで少々厄介な周波数合わせが必要だ。X'talフィルタは10MHz水晶であるが、実際の中心周波数はこれになっていない。調べる必要が有る。これもRFアナライザー等で調べてみると、9996800Hzであった。従ってキャリア発振は9998300Hzとなる。この数値もスケッチに反映させてやらないと表示周波数がずれてしまう。
     実際には、綺麗に受信できるところにキャリア周波数を調整し、その周波数を測定し1500Hzずらせばフィルタ周波数が推測できる。この当たりが少々難しいところである。デジタル表示であるがゆえに難しくなっている。アナログVFOであればこの当たりは凡そでOKとなるところではあるが。
  6. LPF
     動作試験で出力が1W程度しか出てこないことから色々調べてみたが、最終的に出力のLPFがおかしいと判断。もともと20m用の設計を7MHzに変更するようにしているため無理があるようだ。これを設計しなおし付け替えたところ5W(口笛7W)出力できるようになった。(回路図は用意していないが、定K型LPF両端のコンデンサーは450pF(430pF+22pF)、中間900pF(820pF+82pF)、コイル1.1uH T50-2 15t))
Modify
Inside1

Inside2

【動作試験】
 どうにか受信送信とも正常動作になった。今回製作途中では結構手こずった。それだけに完成すれば嬉しいものである。
 AF-AGCはあまり期待していなかったが何とか実用範囲に調整できた。ただやはり強力な局に対しては飽和し音も歪が多くなる。強力な局にあわせると弱い局がさらに聞きにくくなる。ダイナミックレンジが狭いので致し方ないと思う。強力な局に対してはATTをTOPに付けるのがベターと思う。
 送信はローカルにワッチしてもらったが、特に問題ないとの事。マイクアンプを1段にしたので浅い変調になるかと思ったが、偶然にも丁度いいとの事で、安心した。1'th交信も無事できた。「5WQRP」と言いながら更新するのもいいものだ。逆Vダイポールで何処まで富んでくれるのだろうか。楽しみである。
受信試験の様子をYouTubeにUPしてある。

Hi,every homebrewer
I made BitX40 using Ver3B-PCB.
I did modify.
  1. BPF
    Original is 100pF+27pF. But It's not good. I used 100pF+68pF
  2. AGC
    Original is connected  from AF Volume to AGC-AMP . It's not so good.
    I connected from BASE of Q4(Fig.4)
  3. Mic AMP
    Mic AMP is large gain. It's too large. I omitted Q15.(Fig.2)
  4. Carrier null
     It's so difficult to setting.  I'd like to improve, but it isn't changed while being original.
  5. DDS VFO
    It's using Arduino controlled DDS VFO(Ver2).
    VFO(Ver2) is  DDS_frequency =target_frequency + carrier_frequency.
    BitX40 is  DDS_frequency=carrier_frequency - target_frequency.
    It's need to chenge sketch for arduino.
    If you need sketch for BitX40 then send email to me.
  6. LPF
    Original LPF is not good. I changed.
    Both side C=50pF(430pF+22pF)、center C 900pF(820pF+082pF)、coil 1.1uH T50-2 15t
       Receiving Test   YouTube

Thank you 
73's
Ryuu JA2NKD
  



 

2014年5月15日木曜日

7MHz AM受信機

外観
かねてより実験中のLA1137Nを使用した7MHz受信機が一応完成した。
【LA1137N】
 サンヨーのこのシリーズについては、「JA2NKD無線工房(その1)」でLA1135,LA1137Nについて概要を掲載してきたので、そちらも参照してください。
 周波数変換、局部発振、IF増幅、検波、AGC,Sメータ回路とほぼすべての機能を搭載している。特にAGCは、多彩な機能を持っており、アレンジできそうである。




【回路】
回路図
回路図を参照してください。基本的にブログ(その1)で紹介したものである。変更しているところは局部発振回路である。周波数可変範囲を7.0-7.2MHzとしている。局発コイルに手持ちのタイトボビンにリッツ線を19t巻いたものがあったのでこれに合せてコンデンサーを決めている。少々Hi-Lとなり、コンデンサーが小さめのため調整が難しいことと浮遊容量等の影響を受けやすいと思われる。出来れば半分くらいのコイルでいいと思う。もう少しきっちと計算、計画して定数を決定する必要がある。今回は取り敢えずこのまま完成させた。コンデンサーにはNP0のセラミックを使用している。




【ケース】
背面
ケースはリードのPK-12を使用している。パネルはアルミだが、上下は鉄で多少加工がしにくい。
 ダイヤルエスカッションは木製で東急ハンズに図面を渡して切ってもらったものに黒のツヤなしスプレーで黒く塗ったものである。
 ダイヤル板は、これまたハンズで入手した70mm円形のアクリル板。このあたり極力加工しなくてもいいように既製品を活用している。減速機構には貴重品のボールドライブを使用している。最近DDS等でデジタル化することが増えてきたので、貴重なボールドライブを使用する機会が減ってきたので、逆に一生懸命消化していかないとかえって死蔵品になりそうである。
 Sメータはオーディオ用ラジケータ(VUメータ)のパネルをPCで印刷したものに張り替えてSメータとしている。前面パネルにはAFボリューム以外必要ないのだが、デザインと将来の改造を考慮し余分なボリュームとスイッチをつけている。
 背面パネルにはアンテナ入力とVFO出力、SP出力等がある。


【まとめ】
内部
名古屋生活はマンションとなり、まともなアンテナが無いので適当な線をぶら下げて利いているので感度が良いのかどうか良くわからない。SGからの入力ではそこそこ十分な感度と思われる。
 課題はVFO。電源投入時から安定するまでにかなり変動がある。一度安定するとその後は電源ON/OFFでも頗る安定なのだが。
 またスタンバイ回路にも課題がある。VFOを切らずに高周波部分を切れるようにしているが、この時の変化がIC内部で影響しているのかVFOが少しずれる。送信中なのでそれでもいいのだがVFO出力をカウンタでモニターしたりとランシーブに利用するとなると困ったことになる。従って現状ではSWL用としてしか使えない。
 やはり局部発振はしっかりとした回路で独立
VFO部分
して組み、ICに注入する方法とするべきであろう。
今後その方向で改造をしようと思うが、いつになることやら。また、出来ればBFOを付け簡易的にSSB,CWも利けるようにしたいと思うが、出来るかどうかである。
 取り敢えず一段落とします。


2014年1月11日土曜日

7MHz AM送信機

外観
昨今AM回顧ブームのようで、OMさん達が元気。そこでジャンク箱を漁って送信機を作ってみた。

【部品】
 できればできるだけレトロにと思って探してみたが、それほどのものはなかった。大昔転勤の時に真空管関連は、処分してしまった。残念である。
 トランジスタの古いもので2C92、2SC22が出てきたので、これで作ることとした。
 送受切り替えにシーメンスキースイッチを使用した。昔の機械についていたものではなく、秋葉原のジャンク品を数年前に購入したもので、アクリルケースに入っており、スナップもしゃれた赤いものである。このスイッチはパネル写真で上にするとロック、下にするとノンロックとなった優れものである。(写真参照)


回路図
【回路】
 回路は、「トランジスタ活用ハンドブック 昭和43年発行 丹羽OM著」を基本としている。特に特徴は無いが、2ステージで10W位出せるというSSBには無い簡便さである。但し変調回路が結構重たい。今回は手抜きで変調回路部分はIC71(アイコム50MHzトランシーバー)のジャンク品からそのまま頂いてしまった。

 発振回路はピアスCBの水晶発振としている。トランジスタは2SC22を使用。データシートにはVHF中出力増幅用とある。PC13Wもある。これだけで0.5W~1W位出力可能である。QRPならば1石でも可能となる。

水晶発振子
今回水晶は川崎電波工業さんに特注した。FT243タイプがよかったのだが、生憎HC-6UとHC-49タイプしかできないとの事で、HC-6Uをお願いした。ジャンクのFT243を送れば内部水晶を入れ替えて作ることは可能との事であった。
 
発振回路のコイルは東光ものコイルタイプのボビンを使用し1次側18回巻きとしている。タップはコールド側から3回、6回、9回と作り動作試験を行ったところ3回の時出力が最大となったのでここを使用。2次側は、2回、3回、4回、5回、6回と試したところ4回、5回の時が最大となったので4回巻きを採用した。

トランジスタとスペーサー
ファイナルは、2SC92を使用。この石は2SC92,93,94と兄弟がある。ほとんど同じ特性である。選別によるものかとも思われる。100MHzで9Wの能力である。当時とすればすばらしい性能であったろう。写真にあるように同じ2SC92でもシルバーと黒があった。微妙に外形サイズが異なり(0.6mm程度)シルバーは固定金具が入らなかったので、今回は黒を使用した。この取付金具も絶滅品であろう。アルミ板やテフロンシート等で自作しても良いかも。

 出力回路には、ローパスフィルタが必須である。2倍波低減極付きとし電波法をクリアさせている。



【構造】 
ケースは、タカチのMB-7(W160 H85 D250)
を使用。放熱板兼サブシャーシーは、W100xH200 1.5mm厚(ハンズの定尺品)2枚 基盤はサンハヤトのユニバーサル基板(ICB88)を使用し極力加工を少なくしている(手抜きとも言う)



【性能】
 電源電圧13.8Vで7W 17Vで10Wであった。概ね設計値であった。実送信でのモニタはこれからである。

LED点滅回路
【遊び】
 パネルについているパイロットランプ(LED2
個)は、電源ONで点灯。送信時交互に点滅するようにしてみた。点滅回路は、最近であればマイコンで簡単にできる。ちょっと前ならタイマーICの555等で簡単にできる。
 今回は基本に戻って非安定マルチバイブレータで製作してみた。送信状態にするとパカパカと点滅する。個人的な好みでスピードを調整すればいい。ちょっと鬱陶しいかもしれないが、送信しっぱなしの防止にはなるだろう。基本的回路を思い出すには面白いかも知れない。消灯→点滅→消灯が普通であるが今回は、点灯→点滅→点灯とする必要があるので一捻りする必要がある。今回PNPタイプのデジタルトランジスタで反転させて実現している。

 この送信機を作ってはたと気づいたのだが、これと連携する受信機が無い。トランシーバーかBCL受信機しかないのである。その為せんよう受信機を作る必要ができてしまった。次回受信機を公表できるよう頑張ります。