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2020年8月8日土曜日

TRIO TR-5000 External VFO

 ※ 2020.08.30 Corrected the schematic

TRIO(KENWOOD)TR-5000  1968年販売開始されたAM,FMトランシーバー。OMならご存じではなかろうか。
受信はVFO,送信はクリスタルというスタイル。当時はこれでも結構QSOができた時代である。最近ではクリスタルの特注も難しい(特にHC-6Uタイプは)。
SDRが主流となってきた昨今いまさらAM,FMとも思うが、ノスタルジアだろうかAM通信もまだまだ愛好家が頑張っています。SDRではだれが作っても同じ性能のものになってしまいます。アナログ機器は作り手によって性能が大きく変わる。そこが楽しい。
 そんなことで、今回物置からTR-5000を引っ張り出し、外部VFOを製作しました。
ただの外部VFOでは面白くないので、周波数表示と送受信トランシーブVFOとした。


【構想】
・できるだけ本体は改造しない。
・トランシーブ操作
・周波数表示
・Arduino nano
・Si5351




【回路】
 受信用VFOの出力コイル2次側からFET(2SK241)ソースフォロワーで取り出す。出力は-25dBmくらいなので、MMIC(SGA-6386)で0dBm程度まで増幅する。これをさらに増幅、波形成型し74HC90で1/10に分周しArduinoによる周波数カウンターに入力する。
 カウンターの入力回路はJE1UCI冨川OMがICOM BEACONエレクトロニクス工作室No.134で発表されている回路を使用させていただいた。この回路は感度もいい。調整は2SC1815のコレクタ電圧を2.5Vにする。
 Arduinoに入力された信号はゲートタイム1秒でカウントし、LCDに表示する。また送信時(PTT ON)にカウントした周波数から送信周波数を計算し、Si5351PLLで送信出力を生成し外部VFO入力(外部クリスタル)に出力する。例えば
受信周波数 50.600.000の場合 VFO=50.6-41.58+1.65=10.67MHz
カウンタ入力=10.67/10=1.067MHz
なので表示数は(1.067*10)+39.93000=50.600MHzとなる。
送信周波数は24逓倍なので 50.6/24=2.108333MHzとなる。(Si5351出力)
 これで受信周波数によるトランシーブ操作VFOとなる。
 一つ問題がある。Arduinoの基準クロックは16MHzであるが、正確ではない。またSi5351の基準クリスタル25MHzも正確ではない。そこで、この補正を行うため、ロータリーエンコーダーを使いキャリブレーションできるようにしてる。
 操作は、運用周波数を受信し、CALスイッチをONにし、エンコーダーでメーターの振れが最大になるようエンコーダーを回す。これで送受信が一致して運用できる。電源を入れて1回操作をすれば大きくずれることはない。AM,FMなので問題ない。
 また、プログラムの中でカウンタの補正も行っている。既知の周波数を入力し表示周波数を見る。この比率で補正計算を行っている。
 例えば正確な10MHzを入力し10.00500MHzとなったら、計数0.9995を補正値とする。
 古い機器を再生させようと思っているOM諸氏の参考になれば幸い。

Arduino Sketch & Schematics(tr5000_counter.zip) Download
73's







2020年3月25日水曜日

熊本シティースタンダード(Tachikawa_Version)

熊本シティースタンダードと冠するのはおこがましく、OM諸氏からお怒りをいただくかもしれないが、イメージを手っ取り早くご理解いただけるかなと思い敢えて付けさせていただいた。
 熊本シティースタンダード(以下熊本標準)といっても、これをご存じの方はかなりのOMさんだと思う。1981年7月号のCQ Ham Radioに掲載されたJA6BI田縁OMの「モノバンドSSBトランシーバー」が自作Hamに広がるきっかけだろう。これに呼応して秋月電子で「KUMAMOTO STANDARD SSBジェネレーターボードキット」として販売された。これに挑戦されたOMも多いないのではないでしょうか。
 それまでSSBトランシーバーの自作は難しいものだと思っていたのが、一気に実現可能なものになったと思う。私もこのキットを購入して自作した一人である。昨今ちらほら再現されている方があるようだ。しかしながら当時入手できたパーツも時代とともにディスコンとなり、同じものを作るのは難しくなってきた。また、最近のSDR等高機能なものが主流となってきているが、やはりアナログの機械には愛着がある。そこで今回熊本標準を基本に現代版を作ってみようとスタートした。

【コンセプト】
 今回のプロジェクトの基本コンセプトは熊本シティースタンダードの現代版と位置づけている。従って基本構成は標準方式に準じている。これを現代版とするため
・現在国内で購入できるパーツを使用
・当時よりは少しは高性能にしたい
・基本はアナログ回路
このコンセプトに製作することとした。

【構成】
Block Diagram
左図に熊本標準とTachikawa_Versionのブロック比較を載せた。色付きの部分が主に変更しているところ。マイクアンプ、DBM、AGC、IF_AMP、Linear_AMP部分








【SSBジェネレーター】
Generator_Schematics
 受信部は、熊本標準では、中間周波増幅2段であるが、やはりAGCのダイナミックレンジ不足は否めなかったので、今回は3段とした。
 使用するFETは、熊本標準が3SK45であるが、今回は秋月で購入できる3SK294を使用した。このFETは3SK45のようなデプレッションタイプではなく、エンハンスメントタイプである。つまりG1のバイアスがプラス域となっている。
 クリスタルフィルタは、熊本標準では
Generator
CB機用のものが当時格安で入手出来ていたが、現在では特注となって非常に高価なものになる。今回は安価に入手できるクリスタルでラダー型フィルタを使用した。ラダー型フィルターに関してもJA6BI OMがHam Journalに詳しく解説されていたので自作派の方にはなじみ深いと思う。今回はサトー電気等で入手できる10.695MHzのクリスタルを選択し6段とした。
 AGCはIF出力コイルのホット側から取り出し、エミッタフォロワーを経由して検波し、1段目のオペアンプで直流増幅し、Sメーター出力を取り出すとともに2段目のオペアンプの反転入力に入れ、電圧オフセットを行いAGC出力としG2にかけている。尚、RFアンプにもAGCが掛けられるよう端子に出力している。
 3SK294は非常に高性能であるが、G1のバイアス調整が非常にクリティカルであるため、ボリュームで電圧調整できるようにし、中間周波増幅各段に供給するようにしている。また、AGCのダイナミックレンジを広くとりたいことから、かなり電流を多く流れるセッティングとしている。このことで受信時の消費電流が大きめとなってしまっている。移動運用等の電池駆動では少々つらいかもしれない。
 AFはお決まりのLM386で、NFBを掛けてノイズを抑えている。
 復調は、熊本標準ではダイオードDBMであるが、今回は秋月で購入できるNJM2594を使用した。このICはuPC1037H互換となっている。
 送信部は、マイクアンプとしてオペアンプを使用。これを受信と同じくNJM2594により変調をかけている。マイク入力レベルでひずまないようレベル調整が重要である。
 変調出力を2SK192で増幅しフィルターに入力している。
 NJM2594は、入力端子に電圧をかけることによりキャリアバランスをとることができるので、ボリュームで最低レベルとなるように調整する。データシートでは標準-40dBとなっており、一般的なレベルであるが、もう一息下げたいところである。
 キャリア発振は、熊本標準同等の回路である。水晶はフィルターと音字10.695MHzの推奨を使用。LSBの場合はフィルタより高い周波数なのでコンデンサーで簡単に調整できるが、USBの場合はフィルタ周波数より低くなるので、コイル等で少しVXO的にする必要がある。

【コンバーター】
Converter & Linear
今回は50MHzとした。構成は熊本標準とほぼ同等。
 周波数変換もダイオードDBMと同じ。これはジェネレーターから出てくる送信信号のレベルが高いため、NJM2594ではオーバー入力となるためである。
 RFアンプはIFと同様3SK294である。これはIFと同じAGCを使用するためであり、やはりG1のバイアスがクリティカルであるため半固定抵抗で調整している。
 送信リニアアンプには
Converter ,Linear,Counter
AFT05MS004NT1を採用した。このFETについてはこの前のBlogに掲載したものであり、非常に高性能なものである。+10dBm入力で5Wが期待できる。今回の構成では少しドライブが低いため、口笛MAXで3Wとなった。もう1段追加すれば5Wにすることができるが、無理に追加するまでもないと思い、このままとした。
出力にはお決まりのLPFを追加しスプリアス抑制をしている。

【VFO】
VXO_Schematics
VFOは、今どきはDDSかSi5351PLLと売るところであるが、熊本標準に倣って敢えてVXOで製作した。
 VXOに使用するクリスタルのみが入手しずらいものである。現在特注で製作できるところはアロー電子だけと思われる。
 幸いにもジャンク箱に13.2MHzのクリスタルがあったのでこれを3逓倍し39.5MHz付近としてIFと合成し50MHzを生成してい
VXO
る。基本波で発振させVXOとし、約30kHz可変とした。これ以上では自励発振に近づき安定度がすこぶる悪くなる。
可変範囲は50.16-50.27MHzとなった。概ねSSBバンドで使用できる。
 また、参考にZL2PD作のSi5351PLL(一部アレンジしているが)を使用したVFOの回路図を載せておいた。非常にコンパクトで、よくできており気に入ったものである。興味のある方は、氏の記事を参照願います。勿論拙作のarduinoVFOでもいい。(笑)

【製作】
 筐体はセッツ金属のSB-11(現行品)を使用した。しっかりした筐体でモンバンドトランシーバーには使い勝手が良いケースと思う。上下2段とし、下部にジェネレーターとVXO
、上段にコンバーター、リニア、リレー等を乗せた。
 また、今回周波数表示に秋月の周波数カウンターキットを使用した。このキットはIF周波数シフトがソフトで設定できるため、直読とするところがいい。ただ、基盤が少々大きいこと、7segLEDが大きくパネルに収まらないため、手持ちの小型LEDに変更した。詳細は秋月電子で調べていただくこととしてここでは、省略させていただく。
 試作なので各基板はユニバーサル基板を使用して製作した。できればプリント基板としたいところであるが、苦手である。
 主要部品購入先は、
  秋月電子 (FET,OPAMP、NJM2594、カウンターキット)
  サトー電気(クリスタル、FCZコイル)
  マルツ  (AFT05MS004NT1)

【使用感】
 今回のジェネレータは、3段IFであることから結構AGCダイナミックレンジが取れているため、聞きやすく仕上がった。また、内部ノイズも非常に小さくアンテナ入力を外すとAFボリュームを上げても気になるようなノイズ音はしない。今まで製作したものの中ではトップクラスである。
 送信はMAX 3W QRPとしてはちょうどよいかもしれない。ローカルにモニタしていただいたところ、以前製作したPSN送信機と比較すると、まあ普通の音とのこと。合格点はいただけるとのことであった。
 今回は熊本標準を意識したので、特殊なものは使わないこととしたが、現行パーツでそれなりに製作できたことは、非常に満足であった。
 やはりアナログは難しいし、面白い。40年近く前の回路であるが、現在でも自作派では標準ではないだろうか。デジタル器機では味わえない満足感を感じるのは、私だけではないと思う。敢えて熊本スタンダード(Tachikawa-Verion)としたことをお許しいただきたい。尚、Tachikawaとは私のHomeシティーのことです。

Let's enjoy homebrew.
DE JA2NKD 

2020年1月27日月曜日

RF Power LDMOS Transistor

 昨今RF用のパワートランジスタが入手できなくなってきた。最近私が好んで使っているのは三菱のRDシリーズ(RD16HHF06等)である。好んでというよりは選択肢がないというのが正解であろう。非常に使いやすいが、アイドリング電流が大きい等の課題もある。
 そんな折、自作仲間からMOSが良さそうだという情報を頂いた。早々色々検索をしてみたが、自作で使用している例はほとんどなかった。そこで実験をしてみることにした。
 候補としては、国内である程度の価格で購入できるRQA0009TXDQS(RENESAS)とAFT05MS004NT1(NXP)とした。
いづれも400MHzで5W程度のFETで、中華製のハンディートランシーバー等に使用されている。実際にいづれもHF,VHFで5Wの出力を確認できた。データシートのデータではいづれもVd=7.5Vとなっていて、やはりモバイル用機器用と思われる。2つを比較するとRQAのVdss=16Vで13.8V仕様では低すぎる。AFTはVdss=30Vでどうにか13.8Vで使えそうであることが分かった。マージンを考えると40Vはほしいところである。もちろん13.8VでAMは無理である。CW,SSBなら何とか使用できそうだ。実際に使用して確認していきたい。
 ということでAFT05MS004NT1で製作してみた。AFT05MSはLDMOSというFETで最近の主流となりそうなものである。

 使用例がないので、いつもの定番回路で実験してみた。
入力はコンデンサー直結の非同調で、バイアスを可変抵抗で調整できるようにした。また、ゲート側の抵抗を分割し51オームでAC負荷とした。これにより信号源インピーダンスを落ち着かせることができるのではと思っている。
 出力側はトロイダルコイル(FT-37-43)による広帯域とした。回路図と写真を参考にされたい。

 この回路で動作させた結果をグラフで示した。思いのほか高性能である。また、同一回路で三菱のRD16HHF06を使用したものよりも広帯域に動作し、HF~50MHzにおいてほぼ同様の結果となった。50MHzでも増幅度27dB程度ある。(fig1) 効率も60%を超え優秀である。Vd:13.8V アイドリング:100mA 入力:10mW 出力:5W Id:0.6A)

 入出力特性もリニアである。非常に良い結果が出た。周波数で50MHz以上で低下しているのは回路設計の問題で、VHF,UHF用に設計すれば同様の特性が得られることは間違いないと思う。(fig2) もともとVHF,UHF用だから当然である。
 この結果は大いに満足できる。HF~50MHzのオールバンドトランシーバー製作に弾みが付きそうだ。

 今後の課題は、形態がSOT-89というチップタイプであり、十分放熱できるように取付方法を検討する必要がある。写真のような基板構造では放熱効果が低く基板がかなり熱くなり、基板上の部品の温度変化等も含めアイドリング電流が増加していく。冷えれば戻るが。実験ではCW連続信号なのでなおさらであるが。SSBならこれよりはましだとは思う。
一応この構造で5分の連続運転でも無事ではあった。
 このAFTシリーズには、15W,30W出力のものもあるようなので、機会があれば入手して実験したいと思う。

 これがうまく稼働すれば、2SC1970,2SC1971,2SC1972といったトランジスタに代わるものとして使用できるのではないかと期待している。
 尚今回JA2GQPさんが基板を製作され提供して頂いた。いつもながら深謝。
 FETの入手先はマルツ(Digi-key代理店)

DE JA2NKD

2018年10月28日日曜日

50MHz Receiver for PSN-Transmitter

 前回ブログで紹介したdsPICによる送信機が完成したところで、QSOの為には受信機が必要だ。新しく作るのもいいのだが、早くQSOを行いということから、以前ブログで紹介した7MHz受信機を50MHz用に改造することにした。

改造の要点は、

  • 50MHzPSN送信機とトランシーブする
  • そのため送信時に受信周波数の2倍のVFO出力が出来るように改造する
  • RFアンプと混合器を7MHzから50MHz用に改造する
  • 受信機をコントロールしているArduinoのスケッチを改良しトランシーブ対応とする。
【RF&MIXER】
 回路はごく標準的なもので、RFアンプに2SK439(2SK241)、混合器に3SK73を使用。
CQ出版の鈴木氏の「無線機の設計と製作入門」を参考とした。混変調等を考えると少し弱いかと思うが、昨今50MHzも空いていることから増幅度優先で採用した。

【VFO】
 受信時は中間周波数とUSB,LSBの周波数分シフトした発振となっているが、送信時は目的周波数の2倍の周波数が必要となる。この受信機にはSi5351を使用しているので、この周波数にも対応が出来る。
 送信機にもVFOを内蔵しているが、設定をEXT-VFOとすると受信機側で自動的に2倍の周波数を出力するようにスケッチを改良している。また送信機のVFOを使用するときは送信時に受信機VFOの発振を停止している。

【Arduino】
 スケッチはVFOのところに記したようにVFO周波数コントロール部分を書き換えた。
ここで一番問題になるのは受信時と、送信周波数がぴたりと同じでなければならない。
 PSN送信機では出力周波数の2倍の周波数が必要です。このため誤差も2倍になる。
そのためには本来Si5351の基準クロックである25MHzの精度がかぎとなる。然しながらここに使われているクリスタルは汎用のもので制度は求められない。このためスケッチに誤差補正分を演算している。といっても単純に誤差分を足したり引いたりと原始的手法で対応している。十分エージングを行い、誤差分を書き込んだ。そのため広い周波数範囲ではまだ誤差が発生すると思われるが、SSBのみの範囲では十分対応が出来ている。

【送受切替】
 送信時にHiとなる信号と、外部VFOを使用する場合にHiとなる信号を送信機から受信機のArduinoに取り込み上記のような制御を行っている。この辺りはもう少しスマートな制御回路としたかったが、既に有る7MHz受信機を改造したため、多少雑な処理を行った。

【運用】
 これで送信機、受信機がそろった。最近はトランシーバーが主流であるが、久々のセパレートタイプも趣があり気に入っている。
 受信感度もFT-991と比較して遜色がない。課題としてはAGCがある。増幅怒涛が変わったことから時定数の見直しが必要のようである。これについては暫く様子を見てから手直しをする予定。
 数曲との交信を行ったが、周波数がズレていると言うレポートも無いので、送受信時の誤差は許容範囲に収まっているようだ。各局とも音質については非常に良いとの評価でさすがPSNであると実感した。また、「初めてPSNの信号を聞きました」というコメントもあった。フィルターを使わないSSBでこれほど簡単に高品質のSSBが出来上がったことに満足している。当分はメインの装置となりそうである。

 今回詳細説明はしていないので、疑問点や質問があればコメントまたはメールでも頂ければ幸です。聞こえていましたらQSOお願いいたします。

Let's enjoy homebrew.
73's
JA2NKD Ryuu






2018年10月14日日曜日

50MHz PSN Transmitter using dsPIC

 前回のブログにUPしたdsPICを使用したSSB-Generatorを元に50MHz送信機を制作してみた。
 dsPICによるPSNについては前の投稿を参照願います。
Front View

【構成】
 SSB信号は、dsPICと直交変調器(MAX2452)の2個のICで出来てしまう。従来のフィルター式のものと比べると非常に簡単である。あとは、これらを送信機とする付属回路である。これらについてはごく一般的な回路なので特段説明の必要はないと思うが、簡単に以下に纏めた。
Block diagram
  • Mic Amp
     マイクアンプはTA2001Sを使用。性能は今一歩であるが、簡単にコンプレッションが使える。

  • Mixer
     今回色々試験を行えるように外部音声入力を付けたことと、送信機試験のために1kHzの発振器を組み込んだ。(最近年のせいか口笛がにがてなので)そのためにオーディオミクサー(1/2 MC1458)を設けた。それぞれのレベル調整を半固定抵抗で行いミクサーに入力している。その後にマイクゲイン調整用可変抵抗をパネル部に設けている。その後1段の増幅器(1/2 MC1458)を通してdsPICに入力している。
     1kHz発振器は一般的なCR位相発振器で、この信号を送信機の最大出力になるようレベル調整してある。今までは外部からオーディオ信号を入力していたが、簡単な発振器を組み込むと至極便利である。

Mixer

Phase Shift
 dsPIC33FJ64GP802を使用しオーディオ信号からPSN信号(0,90,180,270°)を作っている。また300-3kHzのBPFが組み込まれており、不要輻射の無い綺麗な信号が形成される。
 詳細は前回のBlogを参照。(これを作られた上保さん(JF3HZB)にはサポートもしていただき 深謝)
 位相差信号はオーディオ帯域においてほぼ完ぺきなリサージュ波形が観測されている。(前回のBlog記事参照)
Phase Shift (dsPIC33FJ64GP802)

  • Quadrature Modulator
     MAX2452の日本語データシートには直交変調器と書かれている。このICはオーディオ位相差信号を入力しVFOから送信周波数の2倍の周波数を入力すると、SSB信号ができる非常に便利なICである。内部には発振回路もありPLL回路等と組み合わせることができるようになっている。今回は外部(Si5351)から入力している。
     SSBモード(USB,LSB)の切り替えは位相差信号を入れ替えることにより簡単に変更できる。回路図の通りリレーを使いマイコン(Arduino)で制御し切り替えれれるようにした。
     MAX2452の出力は平衡であり、レベルも低い。トランスで平衡-不平衡変換しFET(2SK439)のソースフロアで受け、その後MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)のSGA4586を使用している。以前秋月で販売されていたが、最近は見ない。この後に7Kコイル(FCZ50)2段のBPFを入れてある。これでどうにか-10dBm程度の出力が確保された。

Quadrature Modulator

  • Linear
     今回リニア部分は手抜きで、以前作成したHF用QRPリニアをそのまま使用した。構成は(RD00HHS1-RD06HHF1)である。HFでは5Wであるが、50MHzでは3W弱である。回路を見直せば5Wは出せると思うが、QRPとしてはちょうどよいので、このままとしている。

Linear Amp
  • Control
     送信機としてのコントロール回路として、Arduino-UNOを使用。UNOと言っても既製品のボードではなく、ATMEGA328にUNOのブートローダーを書き込んだものを単体で使用し、省スペース化を図った。これ用の基板はaitendoで販売されている「あちゃんでいいの」を使用している。表示はキャラクタLCD(2x16)にI2Cインターフェース(PCF8574A)を使用しArduinoに入力、VFOもI2Cで使用できるSi5351を使用。これに夜rArduinoのI/O端子も節約できる。
     VFO周波数は出力周波数の2倍の周波数が必要なので、この意味からもSi5351が適任である。Si5351から出力された信号は、7kタイプのコイルボビンで100MHzに同調させたものを2個使用したBPFを通してMAX2524に入力している。
     今回「TUNE」というスイッチを付け、押している間だけ1kHzオーディオ信号を発信させ、同時に送信状態として試験できるようにした。


Control (Arduino ATmega328)
  • Other
     今回dsPICを使用したPSN送信機として初めての製作なので、色々実験ができるようにした。1kHzOSCもその一つであるが、コイルをプラグインにして他の周波数でも実験できるようにした。プラグインは写真のようにユニバーサル基板にピンヘッダーを付けてソケットに差し込む形とした。
     また、受信機とのトランシーブを考慮して、PTT,VFO切り替え、モード情報をコネクタに用意してある。これに対応できる受信機が次の目標となる。
     またこの製作を基礎にオールバンド送信機を製作したい。
【動作】
  ローカル局に音質モニターをお願いしたところ、非常にクリアで音質に問題はないとの評価をいただいた。やはり想定通りPSNはいい音のようである。
 また、フィルター式と違い調整個所がなく、キャリア漏れや、逆サイドの漏れも感じない。製作が簡単で、性能がいい送信機となったようだ。
 これが実現できたのも上保さんの作られたプログラムのお陰である。サジェッションを含め 深謝
Back View

【参考回路図】
 回路図を以下に掲載




It is hard for me to write in English, so I write it in Japanese. If you have any questions, please write an email or comment.
I'm sorry
Let's enjoy homebrew.
73’s
JA2NKD Ryuu

2019.02.28 Mixer schematic corrected

2013年6月19日水曜日

28-50MHz AM/FM Transceiver (8) 完成

外観(FRONT)
CQ誌にAMの話題が掲載される前から作り始めたのだが、やっとのことで取り敢えず完成した。といっても課題も残っているが。
 当初計画は以下の様であった。
【特徴】
・ミクサーにアクティブ(受信)、パッシブ(送信)を使用
・VFOにDDS(最初はPLLの予定であったが)を使用
・AM変調にICを使用した低電力での変調
・送信パワーアンプに三菱パワーFETを採用


外観(BACK)

【計画仕様】
周波数:28.000-29.7MHz 50.000-54.000MHz
モード:AM・FM
出  力:5W(AM,FM)







最終的な性能は、以下の様になった。

 周波数: 28.000-29.7MHz 50.000MHz-54MHz
 モード:  AM,FM
 出力:  28Mhz帯 2.5W(AM、FM) 50MHz帯2W(AM,FM)
 電源:  受信時 28MHz帯AM 0.37A FM 0.44A
            50MHz帯AM 0.44A FM 0.40A
      送信時 28MHz帯AM(無変調)1.46A FM(無変調)1.44A
            50MHz帯AM(無変調)1.32A FM(無変調)1.30A

 AM,FMの電流変化等は、リレーのON、OFF切り替えによる変化である。
28,50MHzの送信時の電流変化は、リレーのON,OFFと出力段の電流変化が主なものである。

50MHz出力スペクトラム
28MHz」出力スペクトラム












【課題】

  • AM変調は低電力変調で行っているが、その後の回路はリニアである必要がある。ピーク時においては、無変調時の4倍のパワーが必要である。その為リニア動作を確保するために、最終的出力は、終段のRD15HVF1のMAXである9W近くの1/4である2W程度に絞る必要があった。実際の交信ではやはり出力10W程度は欲しい。特にノイズの多いときには2Wではきつい。リニアアンプをつけるか、終段をプシュプル等にしてパワーアップを検討していきたい。
  • AM受信にはLA1135Nを使用した。このICはステレオチューナーやカーラジオ等に使用されていたもので、高機能である。AGC、Sメーター回路が入っており、出力の歪みも少なく良い音がしているような気がする。AGCは、高周波用、IF用とあり色々応用できそうである。またSメーター回路は80dBのリニアリティーがある。このICの1クラス上のLA1137Nでは100dB取れるとの事である。今回あまり詳しくは実験しなかったが、LA1137Nも入手してあるので今後いろいろ応用してみたいと思う。7MHzAMであれば、このICにオーディオアンプをつなげばできてしまう。
  • VFOには中華製DDS基板(AD9851を)を使用した。基準発振素子やLPFに問題があるものの価格の安さは魅力である。信号純度が気になるが、これがどう影響するかは実際に使って見なければ分からないと思い、今回採用した。今のところ音質についてのクレームはない。
  • 送信高調波は、スペアナの画像を見るとギリギリ-50dB(28,50MHzともに)であった。-60dBは確保したいところだからもう一歩といったところか。
  • 受信スプリアスは、28MHz帯で、28.13(S2)。29.09(S2.5),29.7(S7) 50MHz帯で50.47(S0)、50.92(S0)、51.02(S0)、51.09(S1)、51.39(S4)、51.83(S1)、52.62(S1)、53.02(S3.5)となった。これらの原因が、DDSなのか、MIXER関係なのか分析していく必要があるが、実使用においてはあまり問題にならない(私だけかもしれないが)。計算が面倒である。今後の課題だ。
  • FMデビエーションが±2.5KHzとスーパーナローとなっているが、もう少し広げたい。このためには10.695MHzのVXO回路をもう少し検討する必要がある。暇を見て実験してみる。
  • メモリーは9チャンネルと電源OFF前の状態保存を行っている。次回電源ON時いは前回OFFの時の状態でONするようにしている。固定メモリーは周波数とモードを保存している。今後VFOの2チャンネル化やメモリー周波数をVFOへ移行するようなモードやRIT回路などを組み込みたい。今回はハードスイッチが限られているので組み込まなかった。少ないスイッチで多機能を使用するようにスイッチモード変更等も検討していきたい。この辺りはセンスで使い勝手が変わるので十分検討する必要がある。あまり欲張らないこと。SSBであればこの辺のことが重要になってくると思う。
  • 終段の三菱高周波用FETについてもさらに追求が必要である。プシュプル、パラレル等も実験してみたい。バイアス電流が大きいことが気に入らないもののそこそこ使えるFETだと思う。固定用ならば「有」だと思う。
  • 今回2バンドAM,FMと欲張ったが、結構大変であった。切り替え回路やバンド毎のレベル調整等。いろいろ勉強になった。機能を追及するならば単一周波数、モードが作りやすいことは言うまでも無い。でもSSBオールバンド位は挑戦してみたい。

以上まだまだ課題が多いが、取り敢えず完了とする。参考として回路図とLCD表示を掲載しておく。

回路図は、記録と記憶により描いているので100%ではない。あくまでも参考としてください。

次は何をつくろうかな?



受信回路図
送信、DDS、MPU回路図

LCD表示(参考)

2013年5月26日日曜日

28-50MHz AM/FM Transceiver (7)

いよいよ肝であるVFOとMPU部分である。

DDS回路図
【VFO】
 VFOにはDDSを採用した。すでに幾つかのサイトで紹介されている中華製DDS基板である。多少問題もあるようであるが、価格から見れば使わない手はない。今回はAD9851を使用している。AD9850でも可能であるが、上限に近いことや基準発振器に問題がありそうなことからこちらとしたのである。この基板でもスプリアス等は気になるところであるが、取り敢えず採用してみて問題があるようならそのとき検討することとしている。

 尚基板上のローパスフィルタは、AD9850の基板と同じく問題があるのでLとCは交換している。この基板にはLPF付きと何も付いていない出力と2系統の出力がある。そこでLPF付きの出力を受信用VFOとし受信MIXに送っている。何も付いていない出力には外部にLPFを付加して送信用に使用している。どちらも出力は-6dBmである。

 スプリアスや信号の純度に関しての実際の使用感については、次回報告する予定。
 この基板の詳細については、NET上に幾つか報告されているので参照願います。

MPU回路図
【MPU】
 DDSのコントロール、液晶表示のコントロール、ロータリーエンコーダー及び各種スイッチのコントロールにMPU(Atmel ATmega168)を採用した。開発言語は、BASCOMのBASICである。

 今回の特徴的な部分は、Power-ONのコントロールである。AFボリュームのスイッチでONとなるが、スイッチをOFFしたときにいきなり電源OFFするのではなく、終了処理をCPUで行った後電源OFFとなるようにしてある。
 終了処理とは、現在値をCPUのROMに書き込むことである。これを立ち上げ時に読み込み、次回Power-ONの時、前回終了時の周波数、モード、エンコーダーステップで立ち上げることができる。状態変化があった時点でROMに書き込めばよいと思うが、ROMの書き込み回数の保証が10万回となっているため、これを回避する手段として、電源OFF時にこのような処理を行っている。 もっとスマートにできる方法があると思うが、私の能力では、このような回路しか浮かばなかった。

 ロータリーエンコーダーは、今回光学式のものを使ってみた。これは、以前廉価なメカニカルの場合取りこぼしが多かった為である。結果としては、やはり光学式のほうがメカニカル式より取りこぼしが少なかった。少々高いのが問題ではあるが。
 分解能は25P/R。もう少し細かいほうが良いのだが、FM,AMならばそんなに国はならない。SSBであれば数百欲しいところである。
 スイッチは5個(周波数ステップ、バンド切り替え、モード切替、VFO/メモリー切り替え、メモリー書き込み)である。




 いよいよ次回完成報告とする予定である。


2013年5月15日水曜日

28-50MHz AM/FM Transceiver (6)

 ここのところ引越等大きく環境変化があり、工作は休業状態であったが、やっとのことで落ち着いてきた。まだ完了ではないが、どうにか工作が出来るまでになってきた。
 2ヶ月も工作をしていないと、前回までのことをかなり忘れている。
一応送受信が出来る状態であったが、変調に問題があった。
FM変調では変調度(デビュエーション)が小さい。AM変調ではマイナス変調で音の歪みが大きい(多い)ようである。今回はこれの対策を行うこととした。

FM改造回路図
【FM変調改造】
FM変調では変調度(デビュエーション)が小さく、モニタすると音が小さい。波形を見ると周波数変化が±1KHzがやっとであった。スーパーナローで±2.5KHzは必要である。オーディオ信号を大きくしてもこれ以上広がらない。根本的に見直す必要がある。
 そこで変化量を上げるためにバリキャップダイオードを直列に2個使用し変化量を稼ぐようにした。また、発振用FETをトランジスタに変更した。これによりどうにか安定して±2.5KHzの変化量を確保できた。この辺りは多分に手探りであった。機会を見て再度水晶発振回路を検討してみる予定。最終回路は図を参照願います。

改造前
改造後

【AM変調改造】
 AM変調は予想通りマイナス変調で、音質が歪っぽい。最初トランシーバーのラジケータを見ていたのだが、音声を入れればプラスに振れるのでマイナス変調とは思っていなかった。しかし熱伝対式POメータでみてみたら見事にマイナスに振れる。これはピーク検出と平均電力の違いであることに気づいた。
 ファイナルアンプへの直接変調の場合、マイナス変調の原因はオーバーモジュレーション、励信電力不足等であるが、低電力での変調の場合は、まずどの段階で発生しているのかを調べていく必要がある。今回の場合、まず変調用IC TA7069での波形を見てみるが問題ない。続いてミクサー。ここも問題なかった。結果リニアアンプ部分で発生していた。その波形は写真のようなものである。ピークでの波形が見にくい形となっている。波形として見たのはこれが初めてである。
この時の出力はMAX4Wで変調最大で2W程度まで落ちる。
 今回のリニアのMAX性能は10W弱である。4W出力時に100%変調した場合。電圧で倍 従って電力で4倍の能力が要求されることになる。それは16Wである。従って最大能力を超えることになる。
 従って今回その対策はどうするかといえば、最大出力能力を上げることは無理であることから、入力レベルを下げることになる。最終的には2W出力時まで下げる必要があった。2Wで4倍8Wでリニアアンプ能力内に収まる。このため最終的にはバンドパスフィルタとリニアアンプ部の間に3dB程度のアッテネータを入れることになる。

AM改造前出力波形
2W出力時波形


 さてAMで2W出力はどうなのだろう。実用的にはどうかである。実際に別のトランシーバーでローカル局に協力を頂き試してみたが、ノイズレベルとの兼ね合いで大きく影響している。基本的にノイズはAM成分が多いため、これが重なってくるとかなりきつくなってくる。同じ出力であれば、SSB,FMのほうが圧倒的に有利となる。ならば何でこんなもの作っているのであろう。といったらオシマイダ。

次回はいよいよVFO(DDS)とコントロール回路となる。

2013年3月2日土曜日

28-50MHz AM/FM Transceiver (5)

いよいよ送信回路です。

変調回路&マイクアンプ回路図
【キャリア発振&変調回路】
 今回の構成は、ブロックダイヤグラムにあるように、水晶発振による10.695MHzとDDSによる40MHz付近をミキシングして和の50MHzと差の28MHzを得ようとするものである。
 キャリヤ発振は当初2SK193を使用していたが、VXO範囲がなかなか取れなかったため最終的に2SK241に変更している。回路はオーソドックスなものである。
FM変調波形
FM変調は、10.695MHzの水晶発振をVXOとして、バリキャップ(1SV50)に音声信号を与えることにより得ている。今回の回路において±7.5KHz(ナローFM)を目標としたが、このためにはオーディオ信号で8VPP必要となり、マイクアンプ回路で十分スイングさせるためにかなり苦労している。結果といてそこまでスイングできていない。現状では6VPPがMAXで±3-4KHz程度でスーパーナローである。ローカル局にモニタしてもらったところ十分了解できるとの事であったので、現状良しとした。今後の課題 もう一度VXO回路を勉強。
 またデビュエーションの測定には何Hzで行うのであろうか。写真は800Hz

AM変調波形
AM変調は今回の目玉(でもないが)でTA7069Aを使用している。ヤフオクでAM変調用などと書かれて出品れていたので、思わずポチってしまった。最初データシートが見つからなかったので、古い本を調べてみたら、何のことはない単純な差動AMPであった。これをカスコード接続で上段TRのベースにAF信号を入力させればAM変調できるわけである。本来はアナログTV用のICである。回路図に内部構造を記載しておいた。3028、7045などと同等である。
このICが何でAM用と書かれていたのか分からないが、ググってみたらFT-102で使用されていた。そこで今回はこれを参考に作成してみた。
 その結果は左の写真のような感じでAM変調された。マイク入力に1KHz50mVを入力した時の波形である。変調度は、
(1-(246/300))x100=82% さらにAFレベルをあげると波形上下でサチッてしまう。キャリア入力を調整する必要がある。ローカルにモニタしてもらったところでは、これでも十分ということで、今回はこのままにしている。この辺もFMと同じく、まだ課題があるようだ。




送信ミクサー回路図
【マイクアンプ】
 マイクアンプはいつものICにお出まし願った。TA2011である。簡単なのでつい使ってしまうが、進歩が無い。このICの出力は1VRMS程度である。FM変調には8VPP程度ほしいので、2SC1815で1段増幅している。さらに出力インピーダンスを下げるためにエミッタフォローをつけている。実際に付加をつなぐと6VPP程度で歪み始めてしまう。たかがアンプでも希望特性を得るには最適化(カット&トライ)が必要である。

 マイクアンプ及び変調回路については、全体に再度最適化を計る必要がある。最初は音がひずんでいる等のモニタ結果であった。エミッタフォローもそのために追加したものだ。取り敢えずは、ローカルのモニタで大きな問題は出ていないようなので、今はこのまま進む。

ミクサー出力
【送信ミクサー】
 送信ミクサーは、既製品のダイオードバランスドミクサー(R&K M8)を使用している。ローカル入力(DDS出力)は、-6dBm程度なので、2SC2026で1段増幅しLPFを通して+10dBm程度とし、3dBmアッテネータ経由で入力している。
RF入力にはTA7069からの出力(-10dBm)を入力。
 IF出力から出てきた信号を2SC2026で軽く増幅している。この時のスペクトラムを掲載しておく。28,50MHzをトップとしてVFO(DDS)が-37dBm程度出ている。キャリヤの10.695MHzが-25dBmとなっている。その他上下にスプリアスが見えている。この信号を次段のバンドバスフィルタに出力している。


BPFOUT 51Mhz出力時スペクトラム
【送信バンドパスフィルタ】
 バンドパスフィルタ(BPF)は、28MHzと50MHz用をリレーで切り替えている。製作手間を省くために、最初はFCZコイルで製作してみた。その結果28MHzにおいては問題が無かったが、50MHzにおいて下側スプリアスが取れなかった。FCZコイルのQが低いためと思われる。致し方なくトロイダルコアでBPFを作り直している。さらに50MHzにおいては、28MHzのレベルを十分下げるため直列にトラップ(FCZコイル)を入れてアル。28MHz出力の際50MHzは上側なので十分抑圧されるため、トラップは入れていない。
 
 51Mhz出力時のBPF出力のスペクトラムをみると29Mhzで60dBm以上取れている。




パワーアンプ回路図
【パワーアンプ】
パワーアンプは、ブログ「その1」でご紹介した三菱のMOSパワーFETで構成している。ドライバーにRD00HVS1 ファイナルにRD15HVF1である。詳細実験はブログ「その1」をご覧ください。
 ただ実験では、それぞれ単体での実験であるが、今回は2段構成としている。ここで問題が発生した。ファイナル回路の入力に調整用コイルを入れていたが、50MHzではなんら問題ないが、28MHzに出力に異様なスプリアスが発生してしまう。原因は分からない。異常発振なのであろうか。そこでこのコイルをはずしたところ収まった。その為か、マッチングには多少問題があり、増幅度が多少下がってしまった。(5W→4W)


送信LPF
【ローパスフィルタ】
 パワーアンプの出力には定番の7次ローパスフィルタを入れている。データは勿論「
トロ活」である。

残るはDDSVFOとマイコン制御回路である。

続く