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2021年8月9日月曜日

ALL BAND TRANSCEIVER (5)

今回はこのTRANSCEIVERの中枢であるコントローラーについて簡単に解説します。

Microprocessor 

 今回のコントローラーは、以前BlogにUPしたVFO Ver8.0を基にカスタマイズしています。
 MPUは、Arduino Due を使用しました。今回のプロジェクトでは、ALL BANDで多機能であるため、I/Oが多く、十分なメモリ容量でスピードが速いものを必要としました。
 主な仕様は以下の通り


Specification
Microcontroller AT91SAM3X8E
Operating Voltage : 3.3V
Input Voltage (recommended) : 7-12V
Input Voltage (limits) : 6-20V
Digital I/O Pins : 54 (of which 12 provide PWM output)
Analog Input Pins : 12
Analog Outputs Pins : 2 (DAC)
Total DC Output Current on all I/O lines : 130 mA
DC Current for 3.3V Pin : 800 mA
DC Current for 5V Pin : 800 mA
Flash Memory : 512 KB all available for the user applications
SRAM : 96 KB (two banks: 64KB and 32KB)
Clock Speed : 84 MHz

TFT Color LCD with Touch panel


 今回のコントローラーで一番苦労したところが、タッチパネルのコントロールであった。
LCDは、ドライバーがILI9341でSPIインターフェース。これにタッチパネルが付いたものである。

Specification
Display Color    RGB 65k color
Screen size       3.2inch
Driver              ILI9341
Resolution        320x240 pixel
Interface          4 wire 
SPI 
Touch panel     Resistive touchscreen
Touch Driver    TSC2046

Arduino Due周りの結線図を再度掲載する。DueとLCDの接続を赤くしてある。

 特に苦労した部分について簡単に記載します。

USB Port
Dueは2つのUSBポートがある。一つはPrograming Portで主にプログラムの書き込み、消去等にしよう。もう一つはNative Portで主にユーザープログラムで使う。
 今回は筐体背面に両方のポートを付けた。Programing用とCAT通信用としている。
 CATはメーカーによってコマンドが違うためどれかに決める必要がある。今回はHamLogの周波数設定程度なので、Yaesu FT-991,Kenwood TS-2000に対応できるようにした。(コンパイル時に選択)
 スケッチは、mainルーチンで外部からUSB経由でシリアル信号を受信したかチェックし、文字列を判読し、情報を返信する単純なスケッチである。以下は参考スケッチです。

---------------------------------------------------------
byte CATbyte = 0;

void setup(){

    SerialUSB(38400);}

void main(){


CATbyte = SerialUSB.available();
if (CATbyte >0){CATset();}

}

//----- CAT Controll(FT-991) -------------------------
void CATset(){
  String CATinput = SerialUSB.readStringUntil(';');
  SerialUSB.flush();
  if (CATinput == "FA"){
    SerialUSB.print("FA");
    String freqtcat = freqt;
    int mojicat=(freqtcat.length());
    if (mojicat <9){
      for (int i=9; i > mojicat; --i){
        SerialUSB.print("0");
      }
     }
    SerialUSB.print(freqtcat);
    SerialUSB.print(";");
  }
  if(CATinput == "MD0"){
    String modecat = String(mode);
    SerialUSB.print("MD0");         
    SerialUSB.print(modecat);
    SerialUSB.print(";");   
  }
  else{
   SerialUSB.print("?;");
  }
}
----------------------------------------------------------

Touch panel
 タッチパネルの処理には非常に苦労をした。製作までにかなりの時間を要したが、逐一記載すると非常に大変なので、結果だけを書くことにする。

タッチパネルには今回抵抗膜方式のもので、タッチしたときの抵抗変化で位置を特定する方式である。タッチパネルのドライバーはTSC2046、LCDはILI9341、MPUはArduino Due。
 初めにタッチパネルのキャリブレーションが必要である。押した位置の抵抗値をLCDのPixelに変換する。これにより位置判断が可能となる。
 キャリブレーションのスケッチは以下のライブラリーのサンプルスケッチにある。
https://github.com/marekburiak/ILI9341_due
[ uTouchCalibration.ino]が目的のスケッチである。
 55行を今回のハードウェアに変更する。
   URTouch  myTouch(30, 28, 26, 24, 22);
            ↓
   URTouch  myTouch(6,5,4,3,2);

 73行を使用するLCDの方向に合わせる。(90 or 270)
tft.setRotation(iliRotation270); // landscape
 

これをDueに書き込むと右の画面が表示される。画面のどこかをタッチすると次の画面が表示される。




この画面で左上ハイライトされた+をタッチする。中央の[PRESS]が[HOLD]に代わり[RELEASE]に変わる。すると今度は左中央がハイライトする。同じようにタッチして8か所すべてが終了すると最終の情報画面に変わる。


CAL_X
CAL_Y
CAL_Z
これがキャリブレーションで得られた情報である。




 この情報はIDEのシリアルモニタにも出力される。
 
ここで、今回使うタッチパネル用ライブラリー
http://www.rinkydinkelectronics.com/library.php?id=93にあるURTouchを使用する。


このライブラリー内にある[URTouchCD.h]をエディターで開きオリジナルのXYZをコメントアウトし、シリアルモニタのXYZをコピー&ペーストし保存する。
 これで使用するLCDのキャリブレーションが終了する。LCDを変更した場合はそのたびにキャリブレーションが必要となる。


参考スケッチ
実際のスケッチの抜きだしなのでよくわからないかもしれない。mainルーチンでパネルが押されたかどうか検出しx,y情報をサブルーチンに渡し処理を行う。URTouchライブラリーのexampleスケッチなど参考にしてください。

-------------------------------------------------------------
void main(){
  if (myTouch.dataAvailable())
    {
    myTouch.read();
    int x = myTouch.getX();
    int y = myTouch.getY();
    ProcessKeyTouch(x, y);  
}

//----- Touch -----------------------------------------------
void ProcessKeyTouch(int x, int y)
{
//  SerialUSB.end();
  ucg.setFont(ucg_font_fub11_tr);
  if (x >= 5 && x <= 5+key_width){               // Menu
    if (y >= 210 && y <= 210+key_height){
      key_rows = 2;
      menu_sub();
    }
  }
  if (x >= 5+1*80 && x <= 5+1*80+key_width){       // Band Set
    if (y >= 210 && y <= 210+key_height){
      key_rows = 3;
      band_set();
    }
  }
  if (x >= 5+2*80 && x <= 5+2*80+key_width){    // Step UP
    if (y >= 210 && y <= 210+key_height){
      fstepmem=fstepmem+1;
      fstepset();
    } 
  }
  if (x >= 5+3*80 && x <= 5+3*80+key_width){    // Step Down
    if (y >= 210 && y <= 210+key_height){
      fstepmem = fstepmem-1;
      fstepset();
    } 
  }
  if (x >= 5 && x <= 67){        // VFO
    if (y >= 10 && y <= 30){
     key_rows = 1;
     vfo_menu();  
    } 
  }
  if (x >= 77 && x <= 122){      // Mode
    if (y >= 10 && y <= 30){
      key_rows =2;
      mode_menu(); 
    } 
  }
  while(x != -1 ){
      myTouch.read();
      x = myTouch.getX();
      //y = myTouch.getY();  
  }
}

一部省略して書いたので少々わかりにくいかもしれませんが、ご容赦

以上 これでALL MODE TRANSCEIVERの解説は終了の予定。質問や、聞きたいことなどご要望があれば追記するかもしれません。メールまたはコメントにてお知らせください。

DE JA2NKD Ryuu


2021年6月28日月曜日

ALL BAND TRANSCEIVER(2)

 Appearance(front)

Do you notice anything when you look at the appearance?
Most frequency knobs such as transceivers made by manufacturers are attached to the right side. My transceiver is on the left. Because I'm left-handed.

Frequency nob    Rotary encoder 100als/r
Switches
    Lock      Frequency lock
    Turbo    Multiplies the frequency step by 10.
    ATT       Preamplifier Off
    AGC      Slow/Fast
    Tune     Test transmission (1kHz modulation)
    COMP    Compressor ON/OFF

Volume
    AFGAIN    Audio Gain
    SQL         FM Squelch
    MIC         Mic gain
    CLAR       Clarifier(rit)  Rotary encoder 25pls/r

LCD             3.2inch TFT-LCD with touch-panel
                   driver ILI9340 320x240

 Appearance(back)
ANT-1    
2 Antenna connector
ANT-2   Can be selected for each band
TRV      To transverter
IF         IF OUT(Not use)
10MHz IN    External reference frequency input(10MHz)
USB-U        Arduino Due USB (nativ port)  for CAT control
USB-P        Arduino Due USB (proglaming port)
AUX           External modulation Input
REC            Audio Output
KEY            CW KEY
SPEAKER    AF 8 ohm 2W

Circuit overview
The receiver is a double super heterodyne with a first IF 70.455MHz and a second IF 455kHz. The filter is a Collins mechanical filter 
     (SSB 2.4kHz, CW 500Hz, AM 6kHz).
The transmitter is a PSN direct transmitter using dsPIC and MAX2452.
The VFO controller used Aruino-Due & 3.2inch TFT-LCD with touch panel.

The following explanations will be written in Japanese. 
My English is poor. Sorry.

受信部

① BPF&LPF
ALL-BANDとなると各種フィルターがバンド毎に必要になり、製作が大変である。幸いオークションでICOM IC730のRF基板ジャンクを入手し流用した。この基板は1.9-28MHzの9バンドなので、50MHzBPFとゼネラルカバー受信(0-60MHz)用のLPFを自作し追加した。 
 
② RF amp
2SC1426を使用したNFBアンプで凡そ10dB程度増幅する。2SC1426は50mAバイアス電流を流しIP3を改善するようにしている。パネルにあるスイッチでON/OFFができるようにしている 。
 
③ 1st Mixer
このMixerでVFOと混合し第一中間周波数70.455MHzに変換している。 
MixerにはSL6440CというICを使用した。このICはIP3が高く、尚且つ変換ゲインがあるという優れものである。難点としてはSNが少し悪いことと、電流が50mA程度流れる。HF固定機で使う分には問題ない。VFO入力は結構クリティカルで大きすぎると極端に歪み始める。-10dBm - 0dBm当たりで調整が必要。スペクトラムアナライザーがあると簡単に調整できる。

④ MCF(70.455kHz)
第一中間周波数70.455kHzのフィルターで、帯域幅は15kHzである。オークションで入手。この谷も45MHzあたりのフィルターも時々見かける。2素子1組のものである。

⑤ Post Amp
Mixer後1段軽く増幅している。使用した素子は3SK291デュアルゲートFETである。回路はごく普通の回路。(回路図省略)

⑥ 2nd Mixer
uPC1037Hを使用したダブルバランスドMixer。外付け部品が少なく扱いやすい。最近秋月で互換性のある日本無線のNJM2594が入手できる。70.455MHzに70MHzを注入し一気に455kHzに変換する。FT-900でも同じ周波数構成を行っている。 
 
⑦ Collins Filter
今回の目的である「いつかはコリンズ」フィルター
SSB用    2.4kHz    562-8694-010 
CW用     500Hz      562-8693-010 
AM用    6kHz        562-8695-010 
クリスタルフィルターに比べてスカート特性等は非常に綺麗である。切れ音質ともにさすがコリンズと思えた。気のせいであろうか?(AM用フィルターの特性を以下に示す)
 
Colins Filter 6kHz

⑧IF Amp 
IFAmpはAD603 2段増幅で80dB増幅とした。回路はJA9TTTさんの記事等を参考にしている。非常に安定してうまく動作している。AGC等は周波数の違いもあることからカットアンドトライで決めた。
 
⑨ SSB,CW Detector 
 検波回路には2ndMixerと同じuPC1037Hを使用。キャリア周波数はDDSで作成しモードで変更するようにしている。
 
⑩ FM IF
DET FMIF増幅と検波は定番のMC3361を使用。周波数変換部を使用せず、中間周波455kHzをFM用フィルタ(CFWLB455F +-6kHz)を通してMC3361に入力している 
 

⑪AF Amp
AFアンプはOPアンプで増幅したのちuPC575C2という一昔前のメーカーリグに多用されていたICを使用。LM386と比べると2Wで余裕があり、音質もいい。


TO be continued

 

 

 

 


    

       

2017年6月24日土曜日

7MHz Receiver with Si5351 PLL VFO

 2016年5月にSi5351 PLL VFO カラーLCDの7MHz受信機をUPした。これがArduinoをスタートするきっかけとなった。お世話になっているKさん、JH8SSTさんの協力を得て製作したものである。この受信機ではSi5351というPLLクロックジェネレータをVFO及びキャリアオシレーターとして使用されている。またRFアンプ、ミキサー、検波にJーFETカスコードアンプを活用している。これらはN6QWが発表されているものを参考としている。VFOは彼の製作したものそのものである。非常に魅力的な技術が豊富に含まれている。
 暫く使用していたが、少しノイズが多いのが気になり知らべていたが、どうもロータリーエンコーダーを回していくとノイズが乗ってくる。
 Si5351は3周波が出力でき、今回VFOとキャリアOSCの2周波に活用している。VFOを可変したときSi5351からのキャリアOSCも同時に書き換えられているようだ。(同一周波数)キャリアなので変更する必要はないのであるが、プログラミングの都合であろうとあきらめていた。Si5351は1周波出力で使うしかないと思っていた。
 今回JA2GQPさんがSi5351のコントロールを検討し2周波でキャリアOSCにまったく影響しないプログラムを発表された。またLCDも小生のArduino VFO(Ver2)1.8inch仕様を手直ししていただけた。今回、これを基に受信機を改造することとした。
Before

 改造の要点は、

  • Si5351VFOコントロールを変更
  • LCDを1.44inchから1.8inchに変更
  • SSB検波回路をカスコードアンプからDBMに変更
ArduinoによるSi5351コントロール及びLCDの改良はJA2GQPさんにご尽力いただいた。詳しくはGQPさんのBLOGを参照願います。今回Si5351のコントロール変更がメインであるが、周波数のメモリー機能も追加されている。OFF時の周波数、モードでON時に立ち上がる。これはプログラミングのみで実現されている秀逸なものである。感謝 感謝
 主に2.2inchを多用してきたが、最近中華から入手が難しくなっている。まだいくらか入手しやすい1.8inchTFTを使用。画面も小生が発表しているVFO画面を基にしている。
 検波回路は、N6QWが発表されているFETカスコードを使用したものであるが、少々歪が気になっていた。今回Si5351のキャリアOSCの出力を最大値に設定して+11dBm程度確保できていることから、無難なパッシブDBMに変更した。これにより音質も安定した。
 尚、今回もVFO,キャリアOSC両方を送信機とのトランシーブ用に出力している。これら信号はトロイダルコイルを使用した2分配で出力している。これらもSi5351で強力な出力が得られたお陰である。このようにSi5351がAD9850DDS等と比べて少ない消費電力で強力な出力が得られ、さらに150Mhz位まで出力できることは大きなメリットとなる。
 アウトドア用トランシーバーやVHF関連機器にも活用が広がる。尚且つローコストで入手できることは非常にありがたい。
 参考に今回機会があったので、手持ちのキット受信機(BitX40,EFE-40)と聞き比べをしてみた。
 You Tube  Homebrew RX VS BitX40 VS EFE-40

 勿論回路構成が違うので比較にはならないであろうが、オリジナル受信機は色々変更し改良できるところが面白い。今後も更なる機能UPをしていきたい。
 尚、今回Arduinoにはアイテンドーの「あちゃんでいいの」を使用している。殆どATmega328単体で省スペース、ローコストになる。機能はArduino-UNOである。
 Arduino-VFOに関しては小生のBlogやJA2GQP氏のBLOGを参照願いたい。

73’s JA2NKD

After

Inside

Arduino & Si5351

back veiw
Schematic