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2021年8月9日月曜日

ALL BAND TRANSCEIVER (5)

今回はこのTRANSCEIVERの中枢であるコントローラーについて簡単に解説します。

Microprocessor 

 今回のコントローラーは、以前BlogにUPしたVFO Ver8.0を基にカスタマイズしています。
 MPUは、Arduino Due を使用しました。今回のプロジェクトでは、ALL BANDで多機能であるため、I/Oが多く、十分なメモリ容量でスピードが速いものを必要としました。
 主な仕様は以下の通り


Specification
Microcontroller AT91SAM3X8E
Operating Voltage : 3.3V
Input Voltage (recommended) : 7-12V
Input Voltage (limits) : 6-20V
Digital I/O Pins : 54 (of which 12 provide PWM output)
Analog Input Pins : 12
Analog Outputs Pins : 2 (DAC)
Total DC Output Current on all I/O lines : 130 mA
DC Current for 3.3V Pin : 800 mA
DC Current for 5V Pin : 800 mA
Flash Memory : 512 KB all available for the user applications
SRAM : 96 KB (two banks: 64KB and 32KB)
Clock Speed : 84 MHz

TFT Color LCD with Touch panel


 今回のコントローラーで一番苦労したところが、タッチパネルのコントロールであった。
LCDは、ドライバーがILI9341でSPIインターフェース。これにタッチパネルが付いたものである。

Specification
Display Color    RGB 65k color
Screen size       3.2inch
Driver              ILI9341
Resolution        320x240 pixel
Interface          4 wire 
SPI 
Touch panel     Resistive touchscreen
Touch Driver    TSC2046

Arduino Due周りの結線図を再度掲載する。DueとLCDの接続を赤くしてある。

 特に苦労した部分について簡単に記載します。

USB Port
Dueは2つのUSBポートがある。一つはPrograming Portで主にプログラムの書き込み、消去等にしよう。もう一つはNative Portで主にユーザープログラムで使う。
 今回は筐体背面に両方のポートを付けた。Programing用とCAT通信用としている。
 CATはメーカーによってコマンドが違うためどれかに決める必要がある。今回はHamLogの周波数設定程度なので、Yaesu FT-991,Kenwood TS-2000に対応できるようにした。(コンパイル時に選択)
 スケッチは、mainルーチンで外部からUSB経由でシリアル信号を受信したかチェックし、文字列を判読し、情報を返信する単純なスケッチである。以下は参考スケッチです。

---------------------------------------------------------
byte CATbyte = 0;

void setup(){

    SerialUSB(38400);}

void main(){


CATbyte = SerialUSB.available();
if (CATbyte >0){CATset();}

}

//----- CAT Controll(FT-991) -------------------------
void CATset(){
  String CATinput = SerialUSB.readStringUntil(';');
  SerialUSB.flush();
  if (CATinput == "FA"){
    SerialUSB.print("FA");
    String freqtcat = freqt;
    int mojicat=(freqtcat.length());
    if (mojicat <9){
      for (int i=9; i > mojicat; --i){
        SerialUSB.print("0");
      }
     }
    SerialUSB.print(freqtcat);
    SerialUSB.print(";");
  }
  if(CATinput == "MD0"){
    String modecat = String(mode);
    SerialUSB.print("MD0");         
    SerialUSB.print(modecat);
    SerialUSB.print(";");   
  }
  else{
   SerialUSB.print("?;");
  }
}
----------------------------------------------------------

Touch panel
 タッチパネルの処理には非常に苦労をした。製作までにかなりの時間を要したが、逐一記載すると非常に大変なので、結果だけを書くことにする。

タッチパネルには今回抵抗膜方式のもので、タッチしたときの抵抗変化で位置を特定する方式である。タッチパネルのドライバーはTSC2046、LCDはILI9341、MPUはArduino Due。
 初めにタッチパネルのキャリブレーションが必要である。押した位置の抵抗値をLCDのPixelに変換する。これにより位置判断が可能となる。
 キャリブレーションのスケッチは以下のライブラリーのサンプルスケッチにある。
https://github.com/marekburiak/ILI9341_due
[ uTouchCalibration.ino]が目的のスケッチである。
 55行を今回のハードウェアに変更する。
   URTouch  myTouch(30, 28, 26, 24, 22);
            ↓
   URTouch  myTouch(6,5,4,3,2);

 73行を使用するLCDの方向に合わせる。(90 or 270)
tft.setRotation(iliRotation270); // landscape
 

これをDueに書き込むと右の画面が表示される。画面のどこかをタッチすると次の画面が表示される。




この画面で左上ハイライトされた+をタッチする。中央の[PRESS]が[HOLD]に代わり[RELEASE]に変わる。すると今度は左中央がハイライトする。同じようにタッチして8か所すべてが終了すると最終の情報画面に変わる。


CAL_X
CAL_Y
CAL_Z
これがキャリブレーションで得られた情報である。




 この情報はIDEのシリアルモニタにも出力される。
 
ここで、今回使うタッチパネル用ライブラリー
http://www.rinkydinkelectronics.com/library.php?id=93にあるURTouchを使用する。


このライブラリー内にある[URTouchCD.h]をエディターで開きオリジナルのXYZをコメントアウトし、シリアルモニタのXYZをコピー&ペーストし保存する。
 これで使用するLCDのキャリブレーションが終了する。LCDを変更した場合はそのたびにキャリブレーションが必要となる。


参考スケッチ
実際のスケッチの抜きだしなのでよくわからないかもしれない。mainルーチンでパネルが押されたかどうか検出しx,y情報をサブルーチンに渡し処理を行う。URTouchライブラリーのexampleスケッチなど参考にしてください。

-------------------------------------------------------------
void main(){
  if (myTouch.dataAvailable())
    {
    myTouch.read();
    int x = myTouch.getX();
    int y = myTouch.getY();
    ProcessKeyTouch(x, y);  
}

//----- Touch -----------------------------------------------
void ProcessKeyTouch(int x, int y)
{
//  SerialUSB.end();
  ucg.setFont(ucg_font_fub11_tr);
  if (x >= 5 && x <= 5+key_width){               // Menu
    if (y >= 210 && y <= 210+key_height){
      key_rows = 2;
      menu_sub();
    }
  }
  if (x >= 5+1*80 && x <= 5+1*80+key_width){       // Band Set
    if (y >= 210 && y <= 210+key_height){
      key_rows = 3;
      band_set();
    }
  }
  if (x >= 5+2*80 && x <= 5+2*80+key_width){    // Step UP
    if (y >= 210 && y <= 210+key_height){
      fstepmem=fstepmem+1;
      fstepset();
    } 
  }
  if (x >= 5+3*80 && x <= 5+3*80+key_width){    // Step Down
    if (y >= 210 && y <= 210+key_height){
      fstepmem = fstepmem-1;
      fstepset();
    } 
  }
  if (x >= 5 && x <= 67){        // VFO
    if (y >= 10 && y <= 30){
     key_rows = 1;
     vfo_menu();  
    } 
  }
  if (x >= 77 && x <= 122){      // Mode
    if (y >= 10 && y <= 30){
      key_rows =2;
      mode_menu(); 
    } 
  }
  while(x != -1 ){
      myTouch.read();
      x = myTouch.getX();
      //y = myTouch.getY();  
  }
}

一部省略して書いたので少々わかりにくいかもしれませんが、ご容赦

以上 これでALL MODE TRANSCEIVERの解説は終了の予定。質問や、聞きたいことなどご要望があれば追記するかもしれません。メールまたはコメントにてお知らせください。

DE JA2NKD Ryuu


2021年7月24日土曜日

ALL BAND TRANSCEIVER (4)

 今回の ALL BAND TRANSCEIVER で色々な課題があった。今回解説するBAND,MODEの制御もその一つである。
 タッチパネルで選択したBANDやMODEは数値化され制御を行う。具体的には変数 [BAND] 変数[MODE]に選択した数値情報が収納される。

 上図でPHOT1でBANDをタッチ、PHOTO2で希望BANDをタッチすると変数[BAND]にBAND番号が収納される。この変数を2進数にして各BITのHigh,Lowを調べI/Oに出力をしている。
全部で14BANDなので4BITバイナリーでD14,15,16,17に出力している。
sketchでは、
void DIO_BAND_set(){
  int bitdata = 0;
  int port_num = 0;
  for (int j=0; j<=3; j++){      // ポートをLowにリセット
    digitalWrite(14+j,LOW); 
  }
  for (int j=0; j<=3; j++){  
   bitdata = bitRead(band,j); // 変数[band]の各Bitを調べる。
    if (bitdata == 1){
     digitalWrite(14+j,HIGH);   // 1なら当該ポートをHighにする
    }
    else{
      digitalWrite(14+j,LOW); // 1以外なら Lowとする。
    } 
  }
}

Modeも同様にしてD18,19,20,21に出力している。

 Aruduino DueのD14-21ポートに出力されたBAND,MODE情報は、以降の処理に使いやすいように(FXMA108)で3.3Vから5Vにレベル変換をしている。
 BAND情報はD14-17から出力されレベル変換後TC4515デコーダーを使用し、各BAND個別信号を出力している。このTC4515はActiv Low 選択された信号がLow、それ以外がHighとなる。このためPNPデジタルトランジスタ(RN2201)を利用し選択された受信用BPFに電源を供給するようにしている。
 送信も同様にBPF選択を行っている。送信ではさらに TD62084というSink Driverで出力のLPFリレーを制御するようにいている。

MODEも同様であるが、選択数が少ないのでデコーダーに74HC238(3INー8OUT)を使用いた。これはActiv HighなのでNPNデジタルトランジスタ(DTC144)を使用しColinsフィルター切替を行っている。

尚、BAND情報は、Linear と Transverterのためにバッファ(74HC125)経由でDINコネクタに出力している。

 さすがにALL BAND TRANSCEIVERともなると、フィルタ、BPF、LPFの切り替え処理が非常に煩雑となることを実感した。今回極力手持ち部品を使用したため、どうも一貫性のない回路となった感じである。ご容赦願いたい。

今回は、あまり日の当たらない部分の解説なので、少々つまらなかったもしれませんが、備忘録としてUPしておくこととした。

DE JA2NKD Ryuu







 




2021年7月4日日曜日

ALL BAND TRANSCEIVER (3)

 ALL BAND TRANSCEIVER (3)

送信部


❶ マイクアンプ  
  マイクアンプは、コンプレッサーTA2011SとOPAMP(LM741)を切り替えるようになっている。またSSB送信試験用に1kHz発振回路を組み込んでいる。これで口笛による調整から解放される。この3回路をOPAMP(NJM7043)でミキシングしSSBはPSN回路に、FMはFMキャリア回路に送っている。
 
❷ AF-PSN回路 
以前blogに掲載した50MHzPSN送信機と同様の回路で dsPIC33FJ64GP802を使用し位相のずれたAFを作っている。このdsPICのソフトはTJ-Labの上保さんの作成されたものであるが、非常に優秀である。
 
❸ 直交変調器
 これも50MHzPSN送信機と同様MAX2452を使用している。特に調整回路がないのでキャリアバランス等の調整は行っていない。AFレベルを調整しても効果がなかった。何とか40dB程度である。他にも直交変調器のICはあるようだが、ほとんどがGHz用であり、HFに使えそうなものは見つからない。またDBMやスイッチを使ってディスクリートで組むこともできるが、回路規模が大きくなってしまう。その点MAX2452は外付け部品もなく簡単である。また運用してモニターしいただいているが、おおむね音質はよく、キャリア、逆サイド等は認められないとの評価をいただいている。この直交変調器にSi5351によるVFOを直接入力している。このVFOの周波数は運用周波数の2倍を入力している。50MHzであれば100MHzとなる。これで全バンド ダイレクトにSSBができる。
 
❹ 前置増幅器 
MAX2452の出力は非常に小さいのでMMIC(MSA-0886)で25dB程度増幅している。

❺BPF
直交変調器で出来たSSB信号をBPFを通すことによりスプリアスを除去させている。BPFは「トロイダル・コア活用百科」の2ポールBPFを使用した。

 ❻前置増幅器
 目的出力を得るにはまだ低いので再度MMIC(MSA-0886)で再度25B程度増幅する。オールバンドにはMMICが得意だ。
 
❼プリアンプ 
ファイナルをドライブするため100mW程度に増幅する必要がある。三菱の高周波パワーFETRD00HHS1を使用している。アイドリングは50mA

❽パワーアンプ
RD16HHF1プッシュプル。出力は10W以下なので十分すぎるが、全バンド安定して増幅するために採用した。ドライブレベルを調整し概ねMAX 8W 程度の出力としている。バンド差が大きく出てくるかと思ったが、意外にそろっている。

❾LPF
λ/4 5次LPFで「トロイダル・コア活用百科」を基本として設計している。

❿FMキャリア水晶発振器
ジャンク水晶67.18235MHzを基本波発振させ3逓倍し67MHz台としている。これにバリアブルキャパシタダイオードにマイクアンプからのAF信号でFM変調を行っている。オーバートーン発振ではほとんど変調がかからないので注意。

⓫FM用ミクサー
⓫の水晶発振信号とVFOを混合し目的のFM信号としている。以降はSSBと教養である。

⓬オシレータ回路
今回周波数の安定度、正確性を確保するためにオシレーター回路に拘った。必要とする周波数は、70.455MHzの第一中間周波数を455kHzに落とす70MHz、455kHz前後のSSBキャリア信号及びVFOである。
 70MHzhDDSAD9851を使用している。このDDSクロックは10MHzのTCXOを基準としてVCXO30MHzを PLLを組み安定化し供給している。またVFO(Si5351)用のクロック25MHzも30MHzクロックのAD9851で作っている。455kHzキャリアは10MHz基準のAD9850から作り出している。これらはすべて固定周波数なのでArduino-nanoを使用しコントロールしている。10MHzは外部からGPS基準信号等が入力できるようにしている。詳細は下部回路図を参照願いたい。こだわりのOSCである。

⓬VFOコントローラー
 今回はマルチバンドトランシーバーなので以前blogに掲載したタッチパネル付きVFOコントローラーを基本として採用している。ただこのトランシーバー用にカスタマイズしている。
 コントローラーにはAruino-Dueで、メモリー容量、スピード、I/O数等十分な性能がある。難点はどうしても大きいことであろう。特徴としてtっちパネルを採用し、多機能でありながら機械的スイッチの数を大幅に減らすことが可能となった。

⓭CATコントロール
Arduino-DueはUSBを2回路積んでいる。1個はプログラミング用、もう一つは外部機器との通信に使用できる。これを利用しパソコンと接続し「Turbo HAMログ」でデータ入力時に周波数を自動的に表示できるようにした。基本的な通信g理解できたので、トランシーバーを外部からコントロールできるようにすることも可能である。今後発展させていきたい。

 以上オールバンドトランシーバーの概要です。詳細については 省略させていただきます。

DE JA2NKD









 

 

2021年6月21日月曜日

ALL BAND TRANSCEIVER(1)

 Nowadays, SDR is the mainstream.

But I like analog systems. Since I first started amateur radio 50 years ago, I've always wanted "Collins". Recently, the "Collins Filter" has finally been discontinued.

Covid-19 occurred two years ago, and from last year, "Stay home" began to be shouted. This allows you to spend a lot of time on homebrew. On this occasion, I decided to make a transceiver using the "Collins filter" that I had longed for for many years.

For VFO, I used the touch panel type VFO controller that I posted on my blog before.

It was finally completed two years after it started. But the pandemic has not yet converged.


Specifications

Receiver
Circuit Type                    SSB/CW/FM/AM: Double conversion  Super heterodyne
Sensitivity                      SSB:2.4kHz CW:500Hz FM:12kHz AM:6kHz
Intermediate frequency  1st:70.455MHz,2nd:455kHz
Frequency range            Ham band (1.9,3.5,7,10.14,18,21,24,28,50)
                                    General (0-60MHz Receive only)
Audio Output                 2W into 8 Ohms

Transmitter
Modulation types            SSB(J3E),FM(F3E),CW
Power Output                5-8W
FM Deviation                 ±5kHz
Microphone Impedance  600 Ohms

Others
Power Consumption       Rx 1.0A    Tx 3.7A  (Maximum)
Supply Voltage              13.8V
Dimensions                   W:430mm  H:100mm  D:450mm
VFO                             Si5351 PLL
Controller                    Arduino Due
LCD                            3.2inch TFT with Touch Panel

Internal View


Block diagram

Video(YouTube)    https://youtu.be/toFvZ_4qtKs

I will upload the commentary to the blog little by little in the future.

DE JA2NKD


2018年10月28日日曜日

50MHz Receiver for PSN-Transmitter

 前回ブログで紹介したdsPICによる送信機が完成したところで、QSOの為には受信機が必要だ。新しく作るのもいいのだが、早くQSOを行いということから、以前ブログで紹介した7MHz受信機を50MHz用に改造することにした。

改造の要点は、

  • 50MHzPSN送信機とトランシーブする
  • そのため送信時に受信周波数の2倍のVFO出力が出来るように改造する
  • RFアンプと混合器を7MHzから50MHz用に改造する
  • 受信機をコントロールしているArduinoのスケッチを改良しトランシーブ対応とする。
【RF&MIXER】
 回路はごく標準的なもので、RFアンプに2SK439(2SK241)、混合器に3SK73を使用。
CQ出版の鈴木氏の「無線機の設計と製作入門」を参考とした。混変調等を考えると少し弱いかと思うが、昨今50MHzも空いていることから増幅度優先で採用した。

【VFO】
 受信時は中間周波数とUSB,LSBの周波数分シフトした発振となっているが、送信時は目的周波数の2倍の周波数が必要となる。この受信機にはSi5351を使用しているので、この周波数にも対応が出来る。
 送信機にもVFOを内蔵しているが、設定をEXT-VFOとすると受信機側で自動的に2倍の周波数を出力するようにスケッチを改良している。また送信機のVFOを使用するときは送信時に受信機VFOの発振を停止している。

【Arduino】
 スケッチはVFOのところに記したようにVFO周波数コントロール部分を書き換えた。
ここで一番問題になるのは受信時と、送信周波数がぴたりと同じでなければならない。
 PSN送信機では出力周波数の2倍の周波数が必要です。このため誤差も2倍になる。
そのためには本来Si5351の基準クロックである25MHzの精度がかぎとなる。然しながらここに使われているクリスタルは汎用のもので制度は求められない。このためスケッチに誤差補正分を演算している。といっても単純に誤差分を足したり引いたりと原始的手法で対応している。十分エージングを行い、誤差分を書き込んだ。そのため広い周波数範囲ではまだ誤差が発生すると思われるが、SSBのみの範囲では十分対応が出来ている。

【送受切替】
 送信時にHiとなる信号と、外部VFOを使用する場合にHiとなる信号を送信機から受信機のArduinoに取り込み上記のような制御を行っている。この辺りはもう少しスマートな制御回路としたかったが、既に有る7MHz受信機を改造したため、多少雑な処理を行った。

【運用】
 これで送信機、受信機がそろった。最近はトランシーバーが主流であるが、久々のセパレートタイプも趣があり気に入っている。
 受信感度もFT-991と比較して遜色がない。課題としてはAGCがある。増幅怒涛が変わったことから時定数の見直しが必要のようである。これについては暫く様子を見てから手直しをする予定。
 数曲との交信を行ったが、周波数がズレていると言うレポートも無いので、送受信時の誤差は許容範囲に収まっているようだ。各局とも音質については非常に良いとの評価でさすがPSNであると実感した。また、「初めてPSNの信号を聞きました」というコメントもあった。フィルターを使わないSSBでこれほど簡単に高品質のSSBが出来上がったことに満足している。当分はメインの装置となりそうである。

 今回詳細説明はしていないので、疑問点や質問があればコメントまたはメールでも頂ければ幸です。聞こえていましたらQSOお願いいたします。

Let's enjoy homebrew.
73's
JA2NKD Ryuu






2018年10月14日日曜日

50MHz PSN Transmitter using dsPIC

 前回のブログにUPしたdsPICを使用したSSB-Generatorを元に50MHz送信機を制作してみた。
 dsPICによるPSNについては前の投稿を参照願います。
Front View

【構成】
 SSB信号は、dsPICと直交変調器(MAX2452)の2個のICで出来てしまう。従来のフィルター式のものと比べると非常に簡単である。あとは、これらを送信機とする付属回路である。これらについてはごく一般的な回路なので特段説明の必要はないと思うが、簡単に以下に纏めた。
Block diagram
  • Mic Amp
     マイクアンプはTA2001Sを使用。性能は今一歩であるが、簡単にコンプレッションが使える。

  • Mixer
     今回色々試験を行えるように外部音声入力を付けたことと、送信機試験のために1kHzの発振器を組み込んだ。(最近年のせいか口笛がにがてなので)そのためにオーディオミクサー(1/2 MC1458)を設けた。それぞれのレベル調整を半固定抵抗で行いミクサーに入力している。その後にマイクゲイン調整用可変抵抗をパネル部に設けている。その後1段の増幅器(1/2 MC1458)を通してdsPICに入力している。
     1kHz発振器は一般的なCR位相発振器で、この信号を送信機の最大出力になるようレベル調整してある。今までは外部からオーディオ信号を入力していたが、簡単な発振器を組み込むと至極便利である。

Mixer

Phase Shift
 dsPIC33FJ64GP802を使用しオーディオ信号からPSN信号(0,90,180,270°)を作っている。また300-3kHzのBPFが組み込まれており、不要輻射の無い綺麗な信号が形成される。
 詳細は前回のBlogを参照。(これを作られた上保さん(JF3HZB)にはサポートもしていただき 深謝)
 位相差信号はオーディオ帯域においてほぼ完ぺきなリサージュ波形が観測されている。(前回のBlog記事参照)
Phase Shift (dsPIC33FJ64GP802)

  • Quadrature Modulator
     MAX2452の日本語データシートには直交変調器と書かれている。このICはオーディオ位相差信号を入力しVFOから送信周波数の2倍の周波数を入力すると、SSB信号ができる非常に便利なICである。内部には発振回路もありPLL回路等と組み合わせることができるようになっている。今回は外部(Si5351)から入力している。
     SSBモード(USB,LSB)の切り替えは位相差信号を入れ替えることにより簡単に変更できる。回路図の通りリレーを使いマイコン(Arduino)で制御し切り替えれれるようにした。
     MAX2452の出力は平衡であり、レベルも低い。トランスで平衡-不平衡変換しFET(2SK439)のソースフロアで受け、その後MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)のSGA4586を使用している。以前秋月で販売されていたが、最近は見ない。この後に7Kコイル(FCZ50)2段のBPFを入れてある。これでどうにか-10dBm程度の出力が確保された。

Quadrature Modulator

  • Linear
     今回リニア部分は手抜きで、以前作成したHF用QRPリニアをそのまま使用した。構成は(RD00HHS1-RD06HHF1)である。HFでは5Wであるが、50MHzでは3W弱である。回路を見直せば5Wは出せると思うが、QRPとしてはちょうどよいので、このままとしている。

Linear Amp
  • Control
     送信機としてのコントロール回路として、Arduino-UNOを使用。UNOと言っても既製品のボードではなく、ATMEGA328にUNOのブートローダーを書き込んだものを単体で使用し、省スペース化を図った。これ用の基板はaitendoで販売されている「あちゃんでいいの」を使用している。表示はキャラクタLCD(2x16)にI2Cインターフェース(PCF8574A)を使用しArduinoに入力、VFOもI2Cで使用できるSi5351を使用。これに夜rArduinoのI/O端子も節約できる。
     VFO周波数は出力周波数の2倍の周波数が必要なので、この意味からもSi5351が適任である。Si5351から出力された信号は、7kタイプのコイルボビンで100MHzに同調させたものを2個使用したBPFを通してMAX2524に入力している。
     今回「TUNE」というスイッチを付け、押している間だけ1kHzオーディオ信号を発信させ、同時に送信状態として試験できるようにした。


Control (Arduino ATmega328)
  • Other
     今回dsPICを使用したPSN送信機として初めての製作なので、色々実験ができるようにした。1kHzOSCもその一つであるが、コイルをプラグインにして他の周波数でも実験できるようにした。プラグインは写真のようにユニバーサル基板にピンヘッダーを付けてソケットに差し込む形とした。
     また、受信機とのトランシーブを考慮して、PTT,VFO切り替え、モード情報をコネクタに用意してある。これに対応できる受信機が次の目標となる。
     またこの製作を基礎にオールバンド送信機を製作したい。
【動作】
  ローカル局に音質モニターをお願いしたところ、非常にクリアで音質に問題はないとの評価をいただいた。やはり想定通りPSNはいい音のようである。
 また、フィルター式と違い調整個所がなく、キャリア漏れや、逆サイドの漏れも感じない。製作が簡単で、性能がいい送信機となったようだ。
 これが実現できたのも上保さんの作られたプログラムのお陰である。サジェッションを含め 深謝
Back View

【参考回路図】
 回路図を以下に掲載




It is hard for me to write in English, so I write it in Japanese. If you have any questions, please write an email or comment.
I'm sorry
Let's enjoy homebrew.
73’s
JA2NKD Ryuu

2019.02.28 Mixer schematic corrected