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2022年8月2日火曜日

NK-28AM 28MHz AM Transceiver (CB modify)

 

NK-28AM

 最近28MHzAMが結構話題になっている。そんな時、断捨離中に物置にCB機があった。
これなら簡単に改造できると思い改造することとした。とはいっても回路図もなく、結構難儀をした。色々NET検索をしたら、幸いにも回路図や、PCBパターン図、サービスマニュアルが入手できた。

【STARKERⅦ】
 このCB機はUNIDEN製でアメリカ仕様のようである。
送受信回路は概ね標準委近い回路である。その中でも色々工夫がされている。参考になるところも多い。
 VFOはPLL(uPD2816C)CB専用であり、CH数、CH9などが設定されている。この為流用はできない。ここはDDSに変更した。
 受信部は、第一中間周波数10.695MHz、第二中間周波数は455kHzと標準的。第一が10.695MHzとなっているのは、PLL基準が10.24MHzなので、455KHzにダウンコンバートするためこの周波数となっている。
 uPD2816Dの入力はせいぜい2MHz程度のため、VCOの出力をこのレベルに落とす工夫がされている。まず、uPD2816Cから基準の1/2(5.12MHz)が出ているので、これの3倍高調波(15.36MHz)を作りVCOとMIXし1MHz台を作り出している。
 受信はVCOを第一ミクサーに直接入力。送信はVCOにやはり基準の10,24MHzを入力し作り出している。これにより1クリスタルで全てを作り出している。お見事。
 送信は 2SC2076-2SC1957-2SC1306と定番。受信回路では、本格的(?)なノイズブランカ、ANLがあり、さらにAMスケルチ(Sメータレベルを利用)も着いている。
 さらに送受信は、リレーを使用せずダイオードスイッチで全て行っている。特にスピーカーの切り替えは、マイクのトークスイッチで、送信時スピーカーのコールド側を切るという技が使われている。最初音が出ない、故障かと思ったが、マイクを接続しておかないと音は出ないのである。賢い。
 以上概略である。

Block Diagram

メイン回路図

VFO回路図

【Modify】
 さて改良であるが、PLLが流用できそうもないので、DDSを使ったVFOとした。至ってシンプルなものである。特に説明は不要と思われるが、改造の要点をまとめておくのでBlock Diagramと参照頂ければと思う。

  1. DDSは、Arduino nanoでAD9850を制御。ロータリーエンコーダーで周波数変更。周波数ステップは、100Hz,1kHz,10kHz,100kHzの4段でUP,DOWNスイッチで変更。AMなのでkHzとした。VFOはA,Bの2チャンネル。電源OFF時の周波数も含めてEEPROMに書き込んでいる。
  2. 表示回路は、MAX7219を使用した7セグメント8桁で周波数を表示。0.96inchOLEDでVFO A/B周波数とステップを表示した。でも小さくて読めない。(老眼では)
  3. DDS出力を受信第一ミクサー(2SK19)に直接入力(-7dBm)。送信ではミクサーTA7310に10dBアッテネーター経由(-17dBm)で入力し10.24MHzとミックスして目的周波数を作っている。
  4. 送受信の同調回路は、概ねコアの調整でOKであった。ファイナル2SC1306のコレクタに入っている100pFだけ撤去した。
  5. メーターランプをLED化した。
  6. 概ね元の機能は維持しているが、ΔTUNEのみ無効となっている。AMということと、DDS化したので不要と思われる。

リンク
  回路図、arduinoスケッチ
  受信風景 (YouTube)

 【感想】
 受信は意外に高感度であり、音質もよい。内部ノイズも少なく、アンテナを外すとほとんど何も聞こえない。
 送信は4W強。Eスポさえ出れば十分使える。必要ならばリニアを接続すればいい。
結構実用機に仕上がった。

各局 28MHz AMでQSOしましょう!!









2021年6月28日月曜日

ALL BAND TRANSCEIVER(2)

 Appearance(front)

Do you notice anything when you look at the appearance?
Most frequency knobs such as transceivers made by manufacturers are attached to the right side. My transceiver is on the left. Because I'm left-handed.

Frequency nob    Rotary encoder 100als/r
Switches
    Lock      Frequency lock
    Turbo    Multiplies the frequency step by 10.
    ATT       Preamplifier Off
    AGC      Slow/Fast
    Tune     Test transmission (1kHz modulation)
    COMP    Compressor ON/OFF

Volume
    AFGAIN    Audio Gain
    SQL         FM Squelch
    MIC         Mic gain
    CLAR       Clarifier(rit)  Rotary encoder 25pls/r

LCD             3.2inch TFT-LCD with touch-panel
                   driver ILI9340 320x240

 Appearance(back)
ANT-1    
2 Antenna connector
ANT-2   Can be selected for each band
TRV      To transverter
IF         IF OUT(Not use)
10MHz IN    External reference frequency input(10MHz)
USB-U        Arduino Due USB (nativ port)  for CAT control
USB-P        Arduino Due USB (proglaming port)
AUX           External modulation Input
REC            Audio Output
KEY            CW KEY
SPEAKER    AF 8 ohm 2W

Circuit overview
The receiver is a double super heterodyne with a first IF 70.455MHz and a second IF 455kHz. The filter is a Collins mechanical filter 
     (SSB 2.4kHz, CW 500Hz, AM 6kHz).
The transmitter is a PSN direct transmitter using dsPIC and MAX2452.
The VFO controller used Aruino-Due & 3.2inch TFT-LCD with touch panel.

The following explanations will be written in Japanese. 
My English is poor. Sorry.

受信部

① BPF&LPF
ALL-BANDとなると各種フィルターがバンド毎に必要になり、製作が大変である。幸いオークションでICOM IC730のRF基板ジャンクを入手し流用した。この基板は1.9-28MHzの9バンドなので、50MHzBPFとゼネラルカバー受信(0-60MHz)用のLPFを自作し追加した。 
 
② RF amp
2SC1426を使用したNFBアンプで凡そ10dB程度増幅する。2SC1426は50mAバイアス電流を流しIP3を改善するようにしている。パネルにあるスイッチでON/OFFができるようにしている 。
 
③ 1st Mixer
このMixerでVFOと混合し第一中間周波数70.455MHzに変換している。 
MixerにはSL6440CというICを使用した。このICはIP3が高く、尚且つ変換ゲインがあるという優れものである。難点としてはSNが少し悪いことと、電流が50mA程度流れる。HF固定機で使う分には問題ない。VFO入力は結構クリティカルで大きすぎると極端に歪み始める。-10dBm - 0dBm当たりで調整が必要。スペクトラムアナライザーがあると簡単に調整できる。

④ MCF(70.455kHz)
第一中間周波数70.455kHzのフィルターで、帯域幅は15kHzである。オークションで入手。この谷も45MHzあたりのフィルターも時々見かける。2素子1組のものである。

⑤ Post Amp
Mixer後1段軽く増幅している。使用した素子は3SK291デュアルゲートFETである。回路はごく普通の回路。(回路図省略)

⑥ 2nd Mixer
uPC1037Hを使用したダブルバランスドMixer。外付け部品が少なく扱いやすい。最近秋月で互換性のある日本無線のNJM2594が入手できる。70.455MHzに70MHzを注入し一気に455kHzに変換する。FT-900でも同じ周波数構成を行っている。 
 
⑦ Collins Filter
今回の目的である「いつかはコリンズ」フィルター
SSB用    2.4kHz    562-8694-010 
CW用     500Hz      562-8693-010 
AM用    6kHz        562-8695-010 
クリスタルフィルターに比べてスカート特性等は非常に綺麗である。切れ音質ともにさすがコリンズと思えた。気のせいであろうか?(AM用フィルターの特性を以下に示す)
 
Colins Filter 6kHz

⑧IF Amp 
IFAmpはAD603 2段増幅で80dB増幅とした。回路はJA9TTTさんの記事等を参考にしている。非常に安定してうまく動作している。AGC等は周波数の違いもあることからカットアンドトライで決めた。
 
⑨ SSB,CW Detector 
 検波回路には2ndMixerと同じuPC1037Hを使用。キャリア周波数はDDSで作成しモードで変更するようにしている。
 
⑩ FM IF
DET FMIF増幅と検波は定番のMC3361を使用。周波数変換部を使用せず、中間周波455kHzをFM用フィルタ(CFWLB455F +-6kHz)を通してMC3361に入力している 
 

⑪AF Amp
AFアンプはOPアンプで増幅したのちuPC575C2という一昔前のメーカーリグに多用されていたICを使用。LM386と比べると2Wで余裕があり、音質もいい。


TO be continued

 

 

 

 


    

       

2020年8月8日土曜日

TRIO TR-5000 External VFO

 ※ 2020.08.30 Corrected the schematic

TRIO(KENWOOD)TR-5000  1968年販売開始されたAM,FMトランシーバー。OMならご存じではなかろうか。
受信はVFO,送信はクリスタルというスタイル。当時はこれでも結構QSOができた時代である。最近ではクリスタルの特注も難しい(特にHC-6Uタイプは)。
SDRが主流となってきた昨今いまさらAM,FMとも思うが、ノスタルジアだろうかAM通信もまだまだ愛好家が頑張っています。SDRではだれが作っても同じ性能のものになってしまいます。アナログ機器は作り手によって性能が大きく変わる。そこが楽しい。
 そんなことで、今回物置からTR-5000を引っ張り出し、外部VFOを製作しました。
ただの外部VFOでは面白くないので、周波数表示と送受信トランシーブVFOとした。


【構想】
・できるだけ本体は改造しない。
・トランシーブ操作
・周波数表示
・Arduino nano
・Si5351




【回路】
 受信用VFOの出力コイル2次側からFET(2SK241)ソースフォロワーで取り出す。出力は-25dBmくらいなので、MMIC(SGA-6386)で0dBm程度まで増幅する。これをさらに増幅、波形成型し74HC90で1/10に分周しArduinoによる周波数カウンターに入力する。
 カウンターの入力回路はJE1UCI冨川OMがICOM BEACONエレクトロニクス工作室No.134で発表されている回路を使用させていただいた。この回路は感度もいい。調整は2SC1815のコレクタ電圧を2.5Vにする。
 Arduinoに入力された信号はゲートタイム1秒でカウントし、LCDに表示する。また送信時(PTT ON)にカウントした周波数から送信周波数を計算し、Si5351PLLで送信出力を生成し外部VFO入力(外部クリスタル)に出力する。例えば
受信周波数 50.600.000の場合 VFO=50.6-41.58+1.65=10.67MHz
カウンタ入力=10.67/10=1.067MHz
なので表示数は(1.067*10)+39.93000=50.600MHzとなる。
送信周波数は24逓倍なので 50.6/24=2.108333MHzとなる。(Si5351出力)
 これで受信周波数によるトランシーブ操作VFOとなる。
 一つ問題がある。Arduinoの基準クロックは16MHzであるが、正確ではない。またSi5351の基準クリスタル25MHzも正確ではない。そこで、この補正を行うため、ロータリーエンコーダーを使いキャリブレーションできるようにしてる。
 操作は、運用周波数を受信し、CALスイッチをONにし、エンコーダーでメーターの振れが最大になるようエンコーダーを回す。これで送受信が一致して運用できる。電源を入れて1回操作をすれば大きくずれることはない。AM,FMなので問題ない。
 また、プログラムの中でカウンタの補正も行っている。既知の周波数を入力し表示周波数を見る。この比率で補正計算を行っている。
 例えば正確な10MHzを入力し10.00500MHzとなったら、計数0.9995を補正値とする。
 古い機器を再生させようと思っているOM諸氏の参考になれば幸い。

Arduino Sketch & Schematics(tr5000_counter.zip) Download
73's







2014年5月15日木曜日

7MHz AM受信機

外観
かねてより実験中のLA1137Nを使用した7MHz受信機が一応完成した。
【LA1137N】
 サンヨーのこのシリーズについては、「JA2NKD無線工房(その1)」でLA1135,LA1137Nについて概要を掲載してきたので、そちらも参照してください。
 周波数変換、局部発振、IF増幅、検波、AGC,Sメータ回路とほぼすべての機能を搭載している。特にAGCは、多彩な機能を持っており、アレンジできそうである。




【回路】
回路図
回路図を参照してください。基本的にブログ(その1)で紹介したものである。変更しているところは局部発振回路である。周波数可変範囲を7.0-7.2MHzとしている。局発コイルに手持ちのタイトボビンにリッツ線を19t巻いたものがあったのでこれに合せてコンデンサーを決めている。少々Hi-Lとなり、コンデンサーが小さめのため調整が難しいことと浮遊容量等の影響を受けやすいと思われる。出来れば半分くらいのコイルでいいと思う。もう少しきっちと計算、計画して定数を決定する必要がある。今回は取り敢えずこのまま完成させた。コンデンサーにはNP0のセラミックを使用している。




【ケース】
背面
ケースはリードのPK-12を使用している。パネルはアルミだが、上下は鉄で多少加工がしにくい。
 ダイヤルエスカッションは木製で東急ハンズに図面を渡して切ってもらったものに黒のツヤなしスプレーで黒く塗ったものである。
 ダイヤル板は、これまたハンズで入手した70mm円形のアクリル板。このあたり極力加工しなくてもいいように既製品を活用している。減速機構には貴重品のボールドライブを使用している。最近DDS等でデジタル化することが増えてきたので、貴重なボールドライブを使用する機会が減ってきたので、逆に一生懸命消化していかないとかえって死蔵品になりそうである。
 Sメータはオーディオ用ラジケータ(VUメータ)のパネルをPCで印刷したものに張り替えてSメータとしている。前面パネルにはAFボリューム以外必要ないのだが、デザインと将来の改造を考慮し余分なボリュームとスイッチをつけている。
 背面パネルにはアンテナ入力とVFO出力、SP出力等がある。


【まとめ】
内部
名古屋生活はマンションとなり、まともなアンテナが無いので適当な線をぶら下げて利いているので感度が良いのかどうか良くわからない。SGからの入力ではそこそこ十分な感度と思われる。
 課題はVFO。電源投入時から安定するまでにかなり変動がある。一度安定するとその後は電源ON/OFFでも頗る安定なのだが。
 またスタンバイ回路にも課題がある。VFOを切らずに高周波部分を切れるようにしているが、この時の変化がIC内部で影響しているのかVFOが少しずれる。送信中なのでそれでもいいのだがVFO出力をカウンタでモニターしたりとランシーブに利用するとなると困ったことになる。従って現状ではSWL用としてしか使えない。
 やはり局部発振はしっかりとした回路で独立
VFO部分
して組み、ICに注入する方法とするべきであろう。
今後その方向で改造をしようと思うが、いつになることやら。また、出来ればBFOを付け簡易的にSSB,CWも利けるようにしたいと思うが、出来るかどうかである。
 取り敢えず一段落とします。


2014年1月11日土曜日

7MHz AM送信機

外観
昨今AM回顧ブームのようで、OMさん達が元気。そこでジャンク箱を漁って送信機を作ってみた。

【部品】
 できればできるだけレトロにと思って探してみたが、それほどのものはなかった。大昔転勤の時に真空管関連は、処分してしまった。残念である。
 トランジスタの古いもので2C92、2SC22が出てきたので、これで作ることとした。
 送受切り替えにシーメンスキースイッチを使用した。昔の機械についていたものではなく、秋葉原のジャンク品を数年前に購入したもので、アクリルケースに入っており、スナップもしゃれた赤いものである。このスイッチはパネル写真で上にするとロック、下にするとノンロックとなった優れものである。(写真参照)


回路図
【回路】
 回路は、「トランジスタ活用ハンドブック 昭和43年発行 丹羽OM著」を基本としている。特に特徴は無いが、2ステージで10W位出せるというSSBには無い簡便さである。但し変調回路が結構重たい。今回は手抜きで変調回路部分はIC71(アイコム50MHzトランシーバー)のジャンク品からそのまま頂いてしまった。

 発振回路はピアスCBの水晶発振としている。トランジスタは2SC22を使用。データシートにはVHF中出力増幅用とある。PC13Wもある。これだけで0.5W~1W位出力可能である。QRPならば1石でも可能となる。

水晶発振子
今回水晶は川崎電波工業さんに特注した。FT243タイプがよかったのだが、生憎HC-6UとHC-49タイプしかできないとの事で、HC-6Uをお願いした。ジャンクのFT243を送れば内部水晶を入れ替えて作ることは可能との事であった。
 
発振回路のコイルは東光ものコイルタイプのボビンを使用し1次側18回巻きとしている。タップはコールド側から3回、6回、9回と作り動作試験を行ったところ3回の時出力が最大となったのでここを使用。2次側は、2回、3回、4回、5回、6回と試したところ4回、5回の時が最大となったので4回巻きを採用した。

トランジスタとスペーサー
ファイナルは、2SC92を使用。この石は2SC92,93,94と兄弟がある。ほとんど同じ特性である。選別によるものかとも思われる。100MHzで9Wの能力である。当時とすればすばらしい性能であったろう。写真にあるように同じ2SC92でもシルバーと黒があった。微妙に外形サイズが異なり(0.6mm程度)シルバーは固定金具が入らなかったので、今回は黒を使用した。この取付金具も絶滅品であろう。アルミ板やテフロンシート等で自作しても良いかも。

 出力回路には、ローパスフィルタが必須である。2倍波低減極付きとし電波法をクリアさせている。



【構造】 
ケースは、タカチのMB-7(W160 H85 D250)
を使用。放熱板兼サブシャーシーは、W100xH200 1.5mm厚(ハンズの定尺品)2枚 基盤はサンハヤトのユニバーサル基板(ICB88)を使用し極力加工を少なくしている(手抜きとも言う)



【性能】
 電源電圧13.8Vで7W 17Vで10Wであった。概ね設計値であった。実送信でのモニタはこれからである。

LED点滅回路
【遊び】
 パネルについているパイロットランプ(LED2
個)は、電源ONで点灯。送信時交互に点滅するようにしてみた。点滅回路は、最近であればマイコンで簡単にできる。ちょっと前ならタイマーICの555等で簡単にできる。
 今回は基本に戻って非安定マルチバイブレータで製作してみた。送信状態にするとパカパカと点滅する。個人的な好みでスピードを調整すればいい。ちょっと鬱陶しいかもしれないが、送信しっぱなしの防止にはなるだろう。基本的回路を思い出すには面白いかも知れない。消灯→点滅→消灯が普通であるが今回は、点灯→点滅→点灯とする必要があるので一捻りする必要がある。今回PNPタイプのデジタルトランジスタで反転させて実現している。

 この送信機を作ってはたと気づいたのだが、これと連携する受信機が無い。トランシーバーかBCL受信機しかないのである。その為せんよう受信機を作る必要ができてしまった。次回受信機を公表できるよう頑張ります。

 

2013年6月19日水曜日

28-50MHz AM/FM Transceiver (8) 完成

外観(FRONT)
CQ誌にAMの話題が掲載される前から作り始めたのだが、やっとのことで取り敢えず完成した。といっても課題も残っているが。
 当初計画は以下の様であった。
【特徴】
・ミクサーにアクティブ(受信)、パッシブ(送信)を使用
・VFOにDDS(最初はPLLの予定であったが)を使用
・AM変調にICを使用した低電力での変調
・送信パワーアンプに三菱パワーFETを採用


外観(BACK)

【計画仕様】
周波数:28.000-29.7MHz 50.000-54.000MHz
モード:AM・FM
出  力:5W(AM,FM)







最終的な性能は、以下の様になった。

 周波数: 28.000-29.7MHz 50.000MHz-54MHz
 モード:  AM,FM
 出力:  28Mhz帯 2.5W(AM、FM) 50MHz帯2W(AM,FM)
 電源:  受信時 28MHz帯AM 0.37A FM 0.44A
            50MHz帯AM 0.44A FM 0.40A
      送信時 28MHz帯AM(無変調)1.46A FM(無変調)1.44A
            50MHz帯AM(無変調)1.32A FM(無変調)1.30A

 AM,FMの電流変化等は、リレーのON、OFF切り替えによる変化である。
28,50MHzの送信時の電流変化は、リレーのON,OFFと出力段の電流変化が主なものである。

50MHz出力スペクトラム
28MHz」出力スペクトラム












【課題】

  • AM変調は低電力変調で行っているが、その後の回路はリニアである必要がある。ピーク時においては、無変調時の4倍のパワーが必要である。その為リニア動作を確保するために、最終的出力は、終段のRD15HVF1のMAXである9W近くの1/4である2W程度に絞る必要があった。実際の交信ではやはり出力10W程度は欲しい。特にノイズの多いときには2Wではきつい。リニアアンプをつけるか、終段をプシュプル等にしてパワーアップを検討していきたい。
  • AM受信にはLA1135Nを使用した。このICはステレオチューナーやカーラジオ等に使用されていたもので、高機能である。AGC、Sメーター回路が入っており、出力の歪みも少なく良い音がしているような気がする。AGCは、高周波用、IF用とあり色々応用できそうである。またSメーター回路は80dBのリニアリティーがある。このICの1クラス上のLA1137Nでは100dB取れるとの事である。今回あまり詳しくは実験しなかったが、LA1137Nも入手してあるので今後いろいろ応用してみたいと思う。7MHzAMであれば、このICにオーディオアンプをつなげばできてしまう。
  • VFOには中華製DDS基板(AD9851を)を使用した。基準発振素子やLPFに問題があるものの価格の安さは魅力である。信号純度が気になるが、これがどう影響するかは実際に使って見なければ分からないと思い、今回採用した。今のところ音質についてのクレームはない。
  • 送信高調波は、スペアナの画像を見るとギリギリ-50dB(28,50MHzともに)であった。-60dBは確保したいところだからもう一歩といったところか。
  • 受信スプリアスは、28MHz帯で、28.13(S2)。29.09(S2.5),29.7(S7) 50MHz帯で50.47(S0)、50.92(S0)、51.02(S0)、51.09(S1)、51.39(S4)、51.83(S1)、52.62(S1)、53.02(S3.5)となった。これらの原因が、DDSなのか、MIXER関係なのか分析していく必要があるが、実使用においてはあまり問題にならない(私だけかもしれないが)。計算が面倒である。今後の課題だ。
  • FMデビエーションが±2.5KHzとスーパーナローとなっているが、もう少し広げたい。このためには10.695MHzのVXO回路をもう少し検討する必要がある。暇を見て実験してみる。
  • メモリーは9チャンネルと電源OFF前の状態保存を行っている。次回電源ON時いは前回OFFの時の状態でONするようにしている。固定メモリーは周波数とモードを保存している。今後VFOの2チャンネル化やメモリー周波数をVFOへ移行するようなモードやRIT回路などを組み込みたい。今回はハードスイッチが限られているので組み込まなかった。少ないスイッチで多機能を使用するようにスイッチモード変更等も検討していきたい。この辺りはセンスで使い勝手が変わるので十分検討する必要がある。あまり欲張らないこと。SSBであればこの辺のことが重要になってくると思う。
  • 終段の三菱高周波用FETについてもさらに追求が必要である。プシュプル、パラレル等も実験してみたい。バイアス電流が大きいことが気に入らないもののそこそこ使えるFETだと思う。固定用ならば「有」だと思う。
  • 今回2バンドAM,FMと欲張ったが、結構大変であった。切り替え回路やバンド毎のレベル調整等。いろいろ勉強になった。機能を追及するならば単一周波数、モードが作りやすいことは言うまでも無い。でもSSBオールバンド位は挑戦してみたい。

以上まだまだ課題が多いが、取り敢えず完了とする。参考として回路図とLCD表示を掲載しておく。

回路図は、記録と記憶により描いているので100%ではない。あくまでも参考としてください。

次は何をつくろうかな?



受信回路図
送信、DDS、MPU回路図

LCD表示(参考)

2013年5月26日日曜日

28-50MHz AM/FM Transceiver (7)

いよいよ肝であるVFOとMPU部分である。

DDS回路図
【VFO】
 VFOにはDDSを採用した。すでに幾つかのサイトで紹介されている中華製DDS基板である。多少問題もあるようであるが、価格から見れば使わない手はない。今回はAD9851を使用している。AD9850でも可能であるが、上限に近いことや基準発振器に問題がありそうなことからこちらとしたのである。この基板でもスプリアス等は気になるところであるが、取り敢えず採用してみて問題があるようならそのとき検討することとしている。

 尚基板上のローパスフィルタは、AD9850の基板と同じく問題があるのでLとCは交換している。この基板にはLPF付きと何も付いていない出力と2系統の出力がある。そこでLPF付きの出力を受信用VFOとし受信MIXに送っている。何も付いていない出力には外部にLPFを付加して送信用に使用している。どちらも出力は-6dBmである。

 スプリアスや信号の純度に関しての実際の使用感については、次回報告する予定。
 この基板の詳細については、NET上に幾つか報告されているので参照願います。

MPU回路図
【MPU】
 DDSのコントロール、液晶表示のコントロール、ロータリーエンコーダー及び各種スイッチのコントロールにMPU(Atmel ATmega168)を採用した。開発言語は、BASCOMのBASICである。

 今回の特徴的な部分は、Power-ONのコントロールである。AFボリュームのスイッチでONとなるが、スイッチをOFFしたときにいきなり電源OFFするのではなく、終了処理をCPUで行った後電源OFFとなるようにしてある。
 終了処理とは、現在値をCPUのROMに書き込むことである。これを立ち上げ時に読み込み、次回Power-ONの時、前回終了時の周波数、モード、エンコーダーステップで立ち上げることができる。状態変化があった時点でROMに書き込めばよいと思うが、ROMの書き込み回数の保証が10万回となっているため、これを回避する手段として、電源OFF時にこのような処理を行っている。 もっとスマートにできる方法があると思うが、私の能力では、このような回路しか浮かばなかった。

 ロータリーエンコーダーは、今回光学式のものを使ってみた。これは、以前廉価なメカニカルの場合取りこぼしが多かった為である。結果としては、やはり光学式のほうがメカニカル式より取りこぼしが少なかった。少々高いのが問題ではあるが。
 分解能は25P/R。もう少し細かいほうが良いのだが、FM,AMならばそんなに国はならない。SSBであれば数百欲しいところである。
 スイッチは5個(周波数ステップ、バンド切り替え、モード切替、VFO/メモリー切り替え、メモリー書き込み)である。




 いよいよ次回完成報告とする予定である。


2013年5月15日水曜日

28-50MHz AM/FM Transceiver (6)

 ここのところ引越等大きく環境変化があり、工作は休業状態であったが、やっとのことで落ち着いてきた。まだ完了ではないが、どうにか工作が出来るまでになってきた。
 2ヶ月も工作をしていないと、前回までのことをかなり忘れている。
一応送受信が出来る状態であったが、変調に問題があった。
FM変調では変調度(デビュエーション)が小さい。AM変調ではマイナス変調で音の歪みが大きい(多い)ようである。今回はこれの対策を行うこととした。

FM改造回路図
【FM変調改造】
FM変調では変調度(デビュエーション)が小さく、モニタすると音が小さい。波形を見ると周波数変化が±1KHzがやっとであった。スーパーナローで±2.5KHzは必要である。オーディオ信号を大きくしてもこれ以上広がらない。根本的に見直す必要がある。
 そこで変化量を上げるためにバリキャップダイオードを直列に2個使用し変化量を稼ぐようにした。また、発振用FETをトランジスタに変更した。これによりどうにか安定して±2.5KHzの変化量を確保できた。この辺りは多分に手探りであった。機会を見て再度水晶発振回路を検討してみる予定。最終回路は図を参照願います。

改造前
改造後

【AM変調改造】
 AM変調は予想通りマイナス変調で、音質が歪っぽい。最初トランシーバーのラジケータを見ていたのだが、音声を入れればプラスに振れるのでマイナス変調とは思っていなかった。しかし熱伝対式POメータでみてみたら見事にマイナスに振れる。これはピーク検出と平均電力の違いであることに気づいた。
 ファイナルアンプへの直接変調の場合、マイナス変調の原因はオーバーモジュレーション、励信電力不足等であるが、低電力での変調の場合は、まずどの段階で発生しているのかを調べていく必要がある。今回の場合、まず変調用IC TA7069での波形を見てみるが問題ない。続いてミクサー。ここも問題なかった。結果リニアアンプ部分で発生していた。その波形は写真のようなものである。ピークでの波形が見にくい形となっている。波形として見たのはこれが初めてである。
この時の出力はMAX4Wで変調最大で2W程度まで落ちる。
 今回のリニアのMAX性能は10W弱である。4W出力時に100%変調した場合。電圧で倍 従って電力で4倍の能力が要求されることになる。それは16Wである。従って最大能力を超えることになる。
 従って今回その対策はどうするかといえば、最大出力能力を上げることは無理であることから、入力レベルを下げることになる。最終的には2W出力時まで下げる必要があった。2Wで4倍8Wでリニアアンプ能力内に収まる。このため最終的にはバンドパスフィルタとリニアアンプ部の間に3dB程度のアッテネータを入れることになる。

AM改造前出力波形
2W出力時波形


 さてAMで2W出力はどうなのだろう。実用的にはどうかである。実際に別のトランシーバーでローカル局に協力を頂き試してみたが、ノイズレベルとの兼ね合いで大きく影響している。基本的にノイズはAM成分が多いため、これが重なってくるとかなりきつくなってくる。同じ出力であれば、SSB,FMのほうが圧倒的に有利となる。ならば何でこんなもの作っているのであろう。といったらオシマイダ。

次回はいよいよVFO(DDS)とコントロール回路となる。

2013年3月2日土曜日

28-50MHz AM/FM Transceiver (5)

いよいよ送信回路です。

変調回路&マイクアンプ回路図
【キャリア発振&変調回路】
 今回の構成は、ブロックダイヤグラムにあるように、水晶発振による10.695MHzとDDSによる40MHz付近をミキシングして和の50MHzと差の28MHzを得ようとするものである。
 キャリヤ発振は当初2SK193を使用していたが、VXO範囲がなかなか取れなかったため最終的に2SK241に変更している。回路はオーソドックスなものである。
FM変調波形
FM変調は、10.695MHzの水晶発振をVXOとして、バリキャップ(1SV50)に音声信号を与えることにより得ている。今回の回路において±7.5KHz(ナローFM)を目標としたが、このためにはオーディオ信号で8VPP必要となり、マイクアンプ回路で十分スイングさせるためにかなり苦労している。結果といてそこまでスイングできていない。現状では6VPPがMAXで±3-4KHz程度でスーパーナローである。ローカル局にモニタしてもらったところ十分了解できるとの事であったので、現状良しとした。今後の課題 もう一度VXO回路を勉強。
 またデビュエーションの測定には何Hzで行うのであろうか。写真は800Hz

AM変調波形
AM変調は今回の目玉(でもないが)でTA7069Aを使用している。ヤフオクでAM変調用などと書かれて出品れていたので、思わずポチってしまった。最初データシートが見つからなかったので、古い本を調べてみたら、何のことはない単純な差動AMPであった。これをカスコード接続で上段TRのベースにAF信号を入力させればAM変調できるわけである。本来はアナログTV用のICである。回路図に内部構造を記載しておいた。3028、7045などと同等である。
このICが何でAM用と書かれていたのか分からないが、ググってみたらFT-102で使用されていた。そこで今回はこれを参考に作成してみた。
 その結果は左の写真のような感じでAM変調された。マイク入力に1KHz50mVを入力した時の波形である。変調度は、
(1-(246/300))x100=82% さらにAFレベルをあげると波形上下でサチッてしまう。キャリア入力を調整する必要がある。ローカルにモニタしてもらったところでは、これでも十分ということで、今回はこのままにしている。この辺もFMと同じく、まだ課題があるようだ。




送信ミクサー回路図
【マイクアンプ】
 マイクアンプはいつものICにお出まし願った。TA2011である。簡単なのでつい使ってしまうが、進歩が無い。このICの出力は1VRMS程度である。FM変調には8VPP程度ほしいので、2SC1815で1段増幅している。さらに出力インピーダンスを下げるためにエミッタフォローをつけている。実際に付加をつなぐと6VPP程度で歪み始めてしまう。たかがアンプでも希望特性を得るには最適化(カット&トライ)が必要である。

 マイクアンプ及び変調回路については、全体に再度最適化を計る必要がある。最初は音がひずんでいる等のモニタ結果であった。エミッタフォローもそのために追加したものだ。取り敢えずは、ローカルのモニタで大きな問題は出ていないようなので、今はこのまま進む。

ミクサー出力
【送信ミクサー】
 送信ミクサーは、既製品のダイオードバランスドミクサー(R&K M8)を使用している。ローカル入力(DDS出力)は、-6dBm程度なので、2SC2026で1段増幅しLPFを通して+10dBm程度とし、3dBmアッテネータ経由で入力している。
RF入力にはTA7069からの出力(-10dBm)を入力。
 IF出力から出てきた信号を2SC2026で軽く増幅している。この時のスペクトラムを掲載しておく。28,50MHzをトップとしてVFO(DDS)が-37dBm程度出ている。キャリヤの10.695MHzが-25dBmとなっている。その他上下にスプリアスが見えている。この信号を次段のバンドバスフィルタに出力している。


BPFOUT 51Mhz出力時スペクトラム
【送信バンドパスフィルタ】
 バンドパスフィルタ(BPF)は、28MHzと50MHz用をリレーで切り替えている。製作手間を省くために、最初はFCZコイルで製作してみた。その結果28MHzにおいては問題が無かったが、50MHzにおいて下側スプリアスが取れなかった。FCZコイルのQが低いためと思われる。致し方なくトロイダルコアでBPFを作り直している。さらに50MHzにおいては、28MHzのレベルを十分下げるため直列にトラップ(FCZコイル)を入れてアル。28MHz出力の際50MHzは上側なので十分抑圧されるため、トラップは入れていない。
 
 51Mhz出力時のBPF出力のスペクトラムをみると29Mhzで60dBm以上取れている。




パワーアンプ回路図
【パワーアンプ】
パワーアンプは、ブログ「その1」でご紹介した三菱のMOSパワーFETで構成している。ドライバーにRD00HVS1 ファイナルにRD15HVF1である。詳細実験はブログ「その1」をご覧ください。
 ただ実験では、それぞれ単体での実験であるが、今回は2段構成としている。ここで問題が発生した。ファイナル回路の入力に調整用コイルを入れていたが、50MHzではなんら問題ないが、28MHzに出力に異様なスプリアスが発生してしまう。原因は分からない。異常発振なのであろうか。そこでこのコイルをはずしたところ収まった。その為か、マッチングには多少問題があり、増幅度が多少下がってしまった。(5W→4W)


送信LPF
【ローパスフィルタ】
 パワーアンプの出力には定番の7次ローパスフィルタを入れている。データは勿論「
トロ活」である。

残るはDDSVFOとマイコン制御回路である。

続く