2008年9月15日月曜日

29MHz FMトランシーバー(2)

PLL回路


 PLLは、東芝TC9256を使用する。(1)でも書いたようにこのICは非常に多機能である。その特徴を簡単に紹介しよう。




  • 2モジュラスプリスケラーを内蔵しており、150MHzまで対応。プリスケラを使用しないモードで20MHzまで対応
  • 2つの並列出力位相比較器、水晶発振器、を内臓
  • 基準発信用水晶は3.6MHz、4.5MHz、7.2MHz、10.8MHzから選択
  • 基準周波数は0.5KHz、1K、2.5K、3K、3.125K、3.9062K、5K、6.25K、7.8125K、9K、10K、12.5K、25K,50K,100Kの15種類が選択できる。
これを見ると2mまではこのICでほとんど用が足りてしまう。SSBのように基準周波数分解能がさらに低い場合は少々細工がいるが。 さて今回は29MHzのFMトランシーバーであるから
  • 29.000MHz~29.700MHz IF=10.7MHz STEP=10KHz
  • PLLは39.7MHz~40.4MHz
となる
 TC9256の設定はパルススワロー方式のSWHを選択する。このモードは周波数範囲1~40MHzと少しオーバースペックとなるが、十分対応できている。基準発振器は手持ちの4.5MHzを使用。 VCOは最初手持ちのミニサーキットのPOS50を使用したのだが、FM変調で音声がかなり歪んでしまい、うまく駆けられなかったためディスクリートに変更した。多分コントロール回路の内部インピーダンスがかなり低くミスマッチしていたものと思われる。 回路的には一般的なトランジスタによる発振回路とFETによるバッファ回路の2段。トランジスタには2SC3778というft=2GHzを使っているが、手持ちの関係であり、一般的なVHF用トランジスタであれば何でもいいと思う。 PLL出力に入るLPFは、ディスクリートのアクティブLPF。回路の基本は、データシートにあるものであるが、定数はJK1XKPさんにご指導いただいた。 その他、KXPさんから、電源回路に気をつけるようにとのご指導で、PLLIC電源、VCO電源、AVRと全てを別々の定電圧電源ICとして供給するようにしている。特にVCOにはリプルフィルタを設けている。
ワンポイント ・ VCO、PLLIC等は電源を別回路としノイズが混入しないようにする
    ・ VCOは特にリプルフィルタを入れる
    ・ ロードロップタイプ3端子定電圧電源等のOUT側は0.1uF程度では発振する場合があるので10uF程度の電解コンデンサーを設ける。



     コントロール回路は、Atmel AVR(ATINY2313-20PU)を使い液晶表示、エンコーダ、MAIN-CHスイッチ処理を行っている。
    これに関しては次回とする。

     製作に当たっては、一品物であること、実験しながらの製作ということで、基板を興さずユニバーサル基板を活用している。
     使用している基板は、  高周波部分用として、サンハヤトの高周波用メッシュアース基板 ICB-88SEGを使用した。これは片面が全面メッシュアースとなっているのでアース回路を引き回さずに済み高周波回路製作には便利。
    その他一般回路は、同サイズのICB-87を使用。これは、最終的に組上げるとき積み木細工が出来るためである。
    写真は、POS50を使って実験したときのもので、VCOをディスクリートに変更してからの写真は撮り忘れてしまった。悪しからず。

    続く


    2 件のコメント:

    TTT/hiro さんのコメント...

    松浦さん、こんばんは。

    感想とか、コメントではないのですが・・・・下記のBlogは大丈夫なのですが、このBlogは部分的に文字化けしています。 何か違う処理をされているのでしょうか??

    JA2NKD さんのコメント...

    TTTさん。こんばんは見つかってしまいましたね。まだ検索エンジンには引っかかっていないと思ったのですが。

    文字化けですか。私のFireFox V3.01では正常に見えています。フォントを変更したセイかもしれませんね。

    まだ実験段階なので色々調査してみます。
    コメント有難うございました。