2009年1月17日土曜日

エアバンド受信機(2)

回路説明
 回路説明といっても、特に目新しいことは無いと思うが、一応各回路説明を書いてみる
【仕様】
受信範囲:119MHz~134MHz
受信形式:A3E(旧A3)
 航空無線の使用範囲は108Mhz~138MHzの30MHzも範囲がある。  製作を開始ししたときはどうにかなるかとはじめたが、やはりこの範囲をカバーするのは難しかったため、関東地区の主要電波が聞こえる範囲として119MHzから134MHzの15MHzとした。

【RF増幅】
 RF増幅はTA7358
 ベース接地増幅であり、入力インピーダンスが低いためコイルタップから入力。コイルはFCZ7S144を使用した。受信範囲が広いため、同調をバリキャップ等で調整しようかとも考えたが、大袈裟かとも思い固定のままとした。バンド内での感度測定はしていないが、どうにか使える範囲のようである。

【第1ミクサー】
 TA7358のミクサーを使用。PLLからの信号を受けIF10.7MHzに変換。PLLVCOからの注入レベルは結構多めになっていると思う。適切な注入レベルは周波数によっても変わると思われる。このあたりTA7358の実験を行いデータ化しておくと何かと便利かもしれない。暇があったらやってみたい。このICの使用例は多く発表されているので参考にされたい。

【第1OSC】
 当初TA7358のOSCで行ったが、発振範囲が十分取れなかったこと、発振レベルがPLLに不十分であったことから、専用発振回路とした。PLL制御のVCOである。発振には定番の2SK19で実験したが、発振出力不足の感じであったため、2SK241とした。やはり発振範囲、出力レベルは2SK19よりも協力で良くなった。バッファには2SC2026を使用。VCOの出力は、TA7358の8pinに入力。PLLへは7pinから5pで返している。

【PLL】
 前作のFMトランシーバで使用したTC9256を使用。もともとFMラジオ用であることから、150MHzまで対応できる。ほとんど前作と同じ回路構成である。前回はHFモード(40MHz)で使用。今回はFMモード(内臓プリスケラーを使用するモード)で使用した。VCOで多少手こずったが、問題なくロックしてくれた。実に使いやすいPLL用ICだと思う。MPUからの制御も前作のものを焼きなおした。

【第2ミクサー&第2OSC】
 定番のLA1600を使用。OSCは当初LA1600の内部発振回路で行ったが、調整がクリチカルだったため、トランジスタ1石(2SC945)で10.245MHz水晶発信とした。

【IF&検波】
LA1600を使用。特にコメントなし。簡単。AGCもまあまあである。AGCが単独で使用できればSSB機などへの応用ももっとできるのだが。まあQRP機などで限定的に使用するならば便利なICといえる。事実使用例も非常に多い。にたようなICが東芝、ローム等から出ているのでこのあたりも調べてみるのもいいかもしれない。しかしPIN数や外付け部品を考えているとLA1600は非常に優秀といえる。
まだまだ入手可能。

【AFアンプ】

 定番のLM386。今回電源ON時のポップ音対策として7pinとVCC間に電解コンデンサー、グランド間にダイオードを挿入。どなたかのホームページに書かれていたものを利用させていただいた。何も無いときに比べ精神上よくない「ボツ」音はかなり減った。まだ多少残っているが、かなりの改善であった。
 ただしCWでのフルブレークインでも気にならないかは実験してみなければわからない。

【制御回路】

 全体制御と液晶表示にATMELのATmega48を使用した。これは、バンド幅が広いため、メモリ回路(10チャンネル)や、エンコーダの周波数ステップ(10KHz,100KHz,1MHz)をを変更できるようにするため、Tiny2313ではメモリが不足すると思われたためである。これについては次回解説を載せる予定。


【筐体、部品】
 筐体は前回の29MHzFMトランシーバー と同じタカチ(UC14-6-10)を使用した。自作において筐体は結構重要なテーマである。しかし結構高い。部品で一番高いかもしれない。たまたまオークションで大量に安く入手できたので使っている。
 基板にはICB-93SEGを使用。部品面がメッシュアースになっているため高周波用には最適。少々高いが、回路側でアースを引き回さなくても良いため作業性がいい。ただスルーホール仕上げのためランドは強いが、部品交換は少し面倒。前回のFM機では機能別にICB-88SEGを主として使ったが、これはスルーホールになっていない。したがって部品交換時などランドがはがれ安いので注意。
 一品ものにはこれら基板がお勧めだ。
 今回基板から出る配線には主としてコネクタを使用した。ブログ(その1)に紹介しているが、自作パソコン用のアッセンブリーでピンヘッダ用であり、至極便利。皆さんも使ってみませんか。シールド線等もあり、ボリューム配線等がきれいに収まる。(内部写真参照)
 ツマミはジャンクのトランシーバーに使用されたものを再利用している。ツマミはいいものがあまり販売されていない。ジャンク品は貴重な資源である。ちなみにダイヤルは日本電業Liner2DXのものです。
 液晶は秋月で売っている16×2バックライト付きを使用。
























次回はソフト解説の予定である。

1 件のコメント:

Fujichrome R100 さんのコメント...

JA2NKD OM,

TA7358 受信機で検索したらここに行き着きました。2009年にTA7358を使われて、このようにFBな受信機を製作されていたのですね。AVRを使用した局発の部分は、さすがです。マネできない世界です。当局がBLOGを始めて、OCナンバーのゲルマトランジスターを集めて6石スーパーラジオを組み立てて喜んでいたときに、このように高度な局発を使った究極の受信機を組み立てられていたことには、今更ながらですが、改めて敬服します。

エアーバンドは聞いたことが無いのですが、面白そうですね。確かA3を今でも使っているとのことでしたが。関東でしたら成田と羽田、調布などの管制塔の電波が聞こえるのでしょうかね。秋田では秋田空港の電波しか聞こえないはずですが、一度聞いてみたいものです。