いよいよ回路製作。最初は受信回路のフロントエンドである。受信機のトップには周波数選択回路と高周波増幅回路がある。ローバンドであれば高周波増幅は不要な場合もあるが、28MHや50MHzともなるとこれが必要である。
回路図&外観 |
いよいよ回路製作。最初は受信回路のフロントエンドである。受信機のトップには周波数選択回路と高周波増幅回路がある。ローバンドであれば高周波増幅は不要な場合もあるが、28MHや50MHzともなるとこれが必要である。
28MHzBPF特性 |
【バンドパスフィルタ】
周波数選択回路は28MHzと50MHzのバンドパスフィルタをリレーで切替えている。必要な帯域幅でフラットな特性となるように製作することが求められる。今回は例によって「トロイダル・コア活用百科」の2ポールバンドパスフィルタを基本とした。 28MHz帯は28-29.7MHz 50MHz帯は50-54MHzのHamバンド帯域をカバーする。 実際の製作では、設計例のコイルにアミドン社のT-37を使用しているが、手持ちの関係でT-25を使用している。線材も0.8mmのところ0.27mmを使用。巻き数は同じ。また使用コンデンサーも手持ちの中で近いものを使っている。手持ちの材料で取りあえず作ってみようということだ。
調整は、各周波数2個のトリマコンデンサーで行う。片側から高周波信号を入力し、OUT側を50Ωで終端して高周波電圧計でレベルを見る。中心周波数でピークに設定して、2個のトリマーを少しずつ回して帯域を広げていく。この辺りは、何回も経験しないと難しい。根気のいる調整である。
昨今はスペクトラムアナライザーがオークションで入手できるようになってきているので(といってもそれ相応の値段ではあるが)、これを使えばこの調整が簡単に出来る。それで調整したときの特性を載せておく。実際の特性では、28MHzでは、帯域がぎりぎりで、挿入損失が1.5dB程度と設計値より悪くなっている。段間の結合コンデンサー(6pF)を少し大きくした方がよいかもしれない。50MHzでは概ね良好であるが、28MHzほどフラットとはならなかった。幸い両周波数での挿入損失が1.5~1.8dB程度なのでこれでよしとした。
トップの高周波増幅回路に要求されることは、ノイズが少なく、高入力信号に対しても歪の少ない回路が求められる。これらはNFとかIM3などという数値で表されている。メーカー品のカタログ等に記載されている。製作例では2SK125を1個~2個使用したものが多い。過去には、パワーFETを使用した送信機並みのアンプを使用したものもあった。今回は、すいている28,50MHzなので、混変調特性などあまり気にせず、トランジスタアンプを使用した広帯域アンプとした。ただし、NFBをかけたアンプとしてみた。理由としてはローノイズとバンド毎の増幅度を一定にしたいからだ。回路は例によって「トロイダル・コア活用百科」に掲載されているものである。定数もそのまま。特性は、目的周波数で18dBの増幅度で一定となっている。2信号特性は測定していないが、いづれやってみるつもりである。
つづく