CYTECから「9MHz・SSB-PSNジェネレータ PSN-Gear07」組み立てキットが限定再販されるとのアナウンスがあった。SSB黎明期、メカニカルフィルタが高価でなかなか購入できない頃、自作派ではこのPSN方式のSSB発生器に盛んにチャレンジされていた。まだAM中心で無線をしていた私としては、SSBへの憧れから作ってみたいと思っていたがその機会がないまま今に至ってしまった。そんなことから今回の再販で迷わず購入を決めた。
PSNは位相差からSSB信号を作り出すもので、この位相差をうまく作り出すことが重要な要素となっている。うまくできたPSNSSB送信機はフィルタ式よりも音質がいいと言われている。実際使ったことがないので今回のキットで楽しんでみたいと思う。
PSNにも色々作り方があるようで、今回のナガード型AFPSN以外にPPSN,メリゴ式等あるようである。今回のキットの詳細についてはCYTECで資料が見られるので、興味のある方はそちらを参照願いたい。(現時点でまだ少しキットはあるようだ。2016.08.29)
キットには詳細な説明書とCDがついており、非常に詳しく開設されている。キット成功の秘訣は、最初にこれら説明書等にしっかり目を通しておくことである。近道をしようとすると思わぬ落とし穴にはまるものである。
まず最初に基板にハトメを取り付ける。これには金槌、ポンチ、金床(固いもの)を用意し取り付ける。我々の世代では当たり前の作業であるが、最近お人は経験がないかもしれません。
ここでマニュアルには書いてないが、 取り付けたハトメはきっちりパタンにはんだ付けを行っておくこと。これを忘れると当初動作しても、後々接触不良が発生する。
いよいよ部品の取り付けである。私は最初に小さなものから取り付けることにしている。今回は抵抗からスタート。
抵抗はカラーコード(茶赤橙黄緑青紫灰白黒これが1234567890に対応)と言われる色で定数を現している。詳しくはネットで調べてください。
CYTECのマニュアルには色がきちんと書かれており親切である。
ここで注意事項であるが、赤と橙とか判別を間違えそうなこともある。特に私のような老人には。(笑) できればテスターで確認の上作業すれば間違いない。
「重要」 今回は抵抗やコンデンサーで設計値に標準のものがない場合があり、複数の抵抗コンデンサーを組み合わせて使用するところがある。そしてこの値が性能を左右する重要なポイントとなる。それらはAFで2組の抵抗合成がされている。これら2組はバランスが重要であることから、できれば多くの抵抗から選別したいところであるが、そうもいかない。そこで4本で2本ずつ2組作る場合、テスターで抵抗値を計り最大と最小で1組、中2個で1組とする。これで2組の差が少なくなる。
あまり神経質になってもしょうがないが、できることはしておいたほうがいいと思う。
次にコンデンサーを取り付ける。電解コンデンサーの極性に注意。パタンにシルク印刷(白い部分が-側)があるのでわかりやすい。 あとは定数と種類(積層セラミックとマイラー)を間違えないように取り付ける。
これらもパーツリストに部品番号と種類が明記されているので確認しながら取り付けるとよい。
次に大物(半固定抵抗、トリマ、水晶、コイル)を付け、最後に半導体(トランジスタ、IC)を付ける。今回は定電圧IC1個だけで、あとは汎用トランジスタのみである。向きもシルク印刷で容易に判別できる。
これで取り付け終了であるが、慌てて電源を繋がないように。
マニュアルに改良の情報が入っている。これに従い改造を行う。
1つはAF振幅バランスをよりきっちり合わせられるように固定抵抗1個を半固定に変更
もう一つは、CW時にマイク回路を止めるための改造(ダイオード1個追加)である。
これで取り付け終了。
部品取り付けには、1個つけたら回路図にチェックを入れていく。これによりより間違いなく取り付けができる。
「急がば回れ」である。
いよいよ調整である電源を繋ぎ異常電流が流れないことを確認し、十分エージングしてから調整をスタートする。
最初にAFPSN部分である。マイク入力に1KHzを入力しリサージュ波形を見て、正円に近づける。
詳しくはマニュアルに書かれているので、その通りに行う。
次にキャリアサプレッションの調整である。これについてもマニュアルに詳しく書かれている。
写真では41.7dB程度であるが、基板むき出し状態なのでこんなところ。ケースにきっちり入れ十分エージングすれば-50dB位には追い込める。実際調整中でも55dB位になることもあった。この調整はなかなかクリティカルである。
サイドバンドサプレッションであるが、上記調整後で33dB以上取れていた。マニュアルでは25dB~35dB程度とあるのでまずまずである。
以上でジェネレータの完成である。このSSB信号をミキサーで目的周波数に変換し、リアニアアンプで増幅すれば送信機の完成となる。さてミクサーを作らねば。VFOはもちろんarduino DDS TFTLCD VFOである。
感想であるが、結構簡単にSSBができたという感じである。もちろん諸性能ではフィルタ式には負けるし、DSPに至ってはその比ではないだろう。しかし今回の製作でPSNでも十分使えるものが出来るという感触を得た。
実際にマイク入力に音声を入力し、ゼネラルカバレージ受信機で9MHzを聞いてみた。問題ないレベルと思う。YouTubeにアップしたので、興味のある方は聞いてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=jtH3dBAwfrE
PSNは位相差からSSB信号を作り出すもので、この位相差をうまく作り出すことが重要な要素となっている。うまくできたPSNSSB送信機はフィルタ式よりも音質がいいと言われている。実際使ったことがないので今回のキットで楽しんでみたいと思う。
PSNにも色々作り方があるようで、今回のナガード型AFPSN以外にPPSN,メリゴ式等あるようである。今回のキットの詳細についてはCYTECで資料が見られるので、興味のある方はそちらを参照願いたい。(現時点でまだ少しキットはあるようだ。2016.08.29)
キットには詳細な説明書とCDがついており、非常に詳しく開設されている。キット成功の秘訣は、最初にこれら説明書等にしっかり目を通しておくことである。近道をしようとすると思わぬ落とし穴にはまるものである。
まず最初に基板にハトメを取り付ける。これには金槌、ポンチ、金床(固いもの)を用意し取り付ける。我々の世代では当たり前の作業であるが、最近お人は経験がないかもしれません。
ここでマニュアルには書いてないが、 取り付けたハトメはきっちりパタンにはんだ付けを行っておくこと。これを忘れると当初動作しても、後々接触不良が発生する。
いよいよ部品の取り付けである。私は最初に小さなものから取り付けることにしている。今回は抵抗からスタート。
抵抗はカラーコード(茶赤橙黄緑青紫灰白黒これが1234567890に対応)と言われる色で定数を現している。詳しくはネットで調べてください。
CYTECのマニュアルには色がきちんと書かれており親切である。
ここで注意事項であるが、赤と橙とか判別を間違えそうなこともある。特に私のような老人には。(笑) できればテスターで確認の上作業すれば間違いない。
「重要」 今回は抵抗やコンデンサーで設計値に標準のものがない場合があり、複数の抵抗コンデンサーを組み合わせて使用するところがある。そしてこの値が性能を左右する重要なポイントとなる。それらはAFで2組の抵抗合成がされている。これら2組はバランスが重要であることから、できれば多くの抵抗から選別したいところであるが、そうもいかない。そこで4本で2本ずつ2組作る場合、テスターで抵抗値を計り最大と最小で1組、中2個で1組とする。これで2組の差が少なくなる。
あまり神経質になってもしょうがないが、できることはしておいたほうがいいと思う。
次にコンデンサーを取り付ける。電解コンデンサーの極性に注意。パタンにシルク印刷(白い部分が-側)があるのでわかりやすい。 あとは定数と種類(積層セラミックとマイラー)を間違えないように取り付ける。
これらもパーツリストに部品番号と種類が明記されているので確認しながら取り付けるとよい。
次に大物(半固定抵抗、トリマ、水晶、コイル)を付け、最後に半導体(トランジスタ、IC)を付ける。今回は定電圧IC1個だけで、あとは汎用トランジスタのみである。向きもシルク印刷で容易に判別できる。
これで取り付け終了であるが、慌てて電源を繋がないように。
マニュアルに改良の情報が入っている。これに従い改造を行う。
1つはAF振幅バランスをよりきっちり合わせられるように固定抵抗1個を半固定に変更
もう一つは、CW時にマイク回路を止めるための改造(ダイオード1個追加)である。
これで取り付け終了。
部品取り付けには、1個つけたら回路図にチェックを入れていく。これによりより間違いなく取り付けができる。
「急がば回れ」である。
いよいよ調整である電源を繋ぎ異常電流が流れないことを確認し、十分エージングしてから調整をスタートする。
最初にAFPSN部分である。マイク入力に1KHzを入力しリサージュ波形を見て、正円に近づける。
詳しくはマニュアルに書かれているので、その通りに行う。
次にキャリアサプレッションの調整である。これについてもマニュアルに詳しく書かれている。
写真では41.7dB程度であるが、基板むき出し状態なのでこんなところ。ケースにきっちり入れ十分エージングすれば-50dB位には追い込める。実際調整中でも55dB位になることもあった。この調整はなかなかクリティカルである。
サイドバンドサプレッションであるが、上記調整後で33dB以上取れていた。マニュアルでは25dB~35dB程度とあるのでまずまずである。
以上でジェネレータの完成である。このSSB信号をミキサーで目的周波数に変換し、リアニアアンプで増幅すれば送信機の完成となる。さてミクサーを作らねば。VFOはもちろんarduino DDS TFTLCD VFOである。
感想であるが、結構簡単にSSBができたという感じである。もちろん諸性能ではフィルタ式には負けるし、DSPに至ってはその比ではないだろう。しかし今回の製作でPSNでも十分使えるものが出来るという感触を得た。
実際にマイク入力に音声を入力し、ゼネラルカバレージ受信機で9MHzを聞いてみた。問題ないレベルと思う。YouTubeにアップしたので、興味のある方は聞いてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=jtH3dBAwfrE