2008年10月3日金曜日

29MHz FMトランシーバー(4)

受信部



 受信部フロントエンドにはQRP機でよく見かけるTA7358を使用。

 RF AMP部はベース接地AMPとなっている。入力インピーダンスはかなり低く、コイルのホットエンドに直接接続をするとミスマッチとなる。コイルにタップを設ければよいが、巻きなおすのも面倒なので、コンデンサー分割し入力に接続している。



 その他回路は標準的なものである。

 IFと検波は定番MC3357を使用。未だにセカンドソースが入手可能である。このように息が長いということは、基本思想が優れている証拠だと思う。ただIFのリミッティング性能は今一歩との評価もある。



 スケルチ回路はには結構悩まされた。回路例などを参考に作ってみたが、なかなか満足がいくようにはならない。これはフィルタや、ディスクリミネータコイルなどの部品との相関が高く、それに合わせて定数を検討する必要があるようだ。以前ディスクリミネータにセラミックを使い結構満足がいくものが出来たが、今回は今一だったので、コイルに変更し、スケルチのノイズアンプの定数を回路図のようにした。
80点程度の出来である。



 音声出力には特にフィルタも入れていないせいか、高音域が強めで、多少きんきんした音となっている。この辺りはもう少し検討が必要と思うが、我慢できる範囲なのでそのままにしている。

 この辺りは再度実験を行っていきたい。MC3357シリーズは、3359、3361などファミリーも多いのでこれらも機会があれば試してみる。



 受信部全体の性能としては、感度は申し分ないが、強い信号による、混変調、感度抑圧等がある。移動用機器にはいいと思う。300m弱のローカルが電波を出すとすぐにわかるのは便利なのか、問題なのか・・・・・

6 件のコメント:

MC3361設計者 さんのコメント...

初めて投稿します。
MC3361、非常に懐かしいです。
MC3361は当方が日本モトローラの
デザインセンターに在職中の1981年頃に
回路設計とレイアウト設計をやりました。
MC3357はアメリカのアリゾナ州のモトローラで
設計されましたが、日本の顧客から低電圧(電池2本, 3V)で
動作するのを開発して欲しいと要望があり設計しました。
内部の合計素子(Tr, R, C)は180個でした。
また、入力周波数は60MHzでも動作するように設計しました。

オーム社で発行した「エレクトロニクス」という月刊紙の
昭和58年12月号に「広がる通信機用ICの応用範囲」と
いう表題で記事を書きました。
この月刊誌は既に廃刊になっていますが、国会図書館には
ありますのでよかったら参考にして下さい。

JA2NKD さんのコメント...

コメントありがとうございます。
 MC3357シリーズは、非常に素晴らしいICだと思います。いまだに多く使用されているのではないでしょうか?
 アマチュアにとってFM検波、スケルチをディスクリートで作ると非常に多くの回路が必要であり、調整等も面倒です。
 このICでは1個でこれらを処理できるゆめのようなICでした。いまだに使用しております。
開発に日本の方が関わっていることを知り、非常にうれしい気持ちです。
いつも悩むのはスケルチのフィルター部分です。これで受信音の味付けが変わりますね。

MC3361設計者 さんのコメント...

MC3357は電源電圧が変動すると多くの特性が変化しました。
それを防ぐためにmc3361はバンドギャップレギュレーター回路
で定電圧回路を作り電源変動による特性変化を防ぎました。
またRFアンプの部分に電流を増やし動作周波数を上げました。
確か、MC3357は40MHZ前後だった記憶が?
スケルチ回路のヒステリヒスは確か50mv位だった記憶が?
MC3357と同じにした記憶?があります。

1970年代はオーディオIC, 1980年代は通信機用IC,1990年代は
パソコン関連IC,2000年以降はIT関連に従事しましたが
激しい変化を感じた時代でしたが、いい時代でした。

JA2NKD さんのコメント...

コメントありがとうございます。
本当に「電子立国」を実感する時代でしたね。
アマチュアもその恩恵に預かれました。
最近はかなりの部分がソフト化され、アマチュアが手出しできない感じです。
アナログ人間の私は未だに数十年前に開発されたICで遊んでおります。(笑)

MC3361設計者 さんのコメント...

当方は会社の先輩から1975年頃に
TS510と福山電機の144Mhzをもらったのが
きっかけで免許を取得した経緯があります。
両方とも終端は真空管だったので
壊れることはなかったです。
今でも持っています、
ただ、あまり活動はせず、ずーと遠ざかっていましたが
5年前頃から再燃してFT991, FT2D,最近FT818を
購入したのでFT8に挑戦しようかなと思っています。
ArduinoやRaspberry Pi も面白いですね。
Pythonは結構いいですが、
視力が厳しくなってきています。

JA2NKD さんのコメント...

私もFT-991でFT-8をやっていました。あっという間に交信局数が増えます。
最近はやっていません。
昔と同じで自作機器でQSOするのが楽しいです。
Arduinoはボケ防止でやっております。
最近自作するにも部品が小さくなり、老眼鏡にハズキルーペで悪戦苦闘
手は震えるし、困ったもんです。