2016年10月16日日曜日

AC Milli-Volt Meter


前回のVUメータに続いてACミリボルトメータを製作した。
Milli-VoleMeter

 最近のデジタルテスターでもAC200mVレンジが有り結構な性能であるが、やはり色々な調整、特にPSN送信機製作時には音声レベル管理が重要であり、マイクでの音声レベルを測るにはアナログメータでないとよく判らない。そこで作ることをした。前回のVUメータもその一つである。今までRF回路中心でAF回路については特段の注意をしていなかったが、PSNをきっかけにAFの重要性を改めて認識した。聞き易い受信機、綺麗な音(決してHiFIを追求するのではなく、相手が聞き易い音)送信機を作るためにも重要である。
 VUメータやミリバル(ミリボルトメータ)等を検索しているとVUについてはかなり多くヒットするが、ミリバルはそれほど無かった。VTVM(真空管電圧計)はそれなりに出てくる。
 今回は低レベル(マイクレベル)が中心の回路とした。参考にしたのは以下の回路である。
http://seppina.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-74a8.html
Reference circit
 早々実験をしたところ、かなり良い直線性を示した。周波数特性はダイオードの種類により違いがあった。
 幾つか取り替えてみたところ
直線性はショットキー(1SS108)が抜群であったが、周波数特性で伸びない。スイッチングダイオード(1N4148相当)も挑戦性は良く周波数特性はそこそこ。今回使用したSD34が直線性、周波数範囲も一番良かったので採用した。これらは、回路でのダイオードの動作特性が変わることによると思う。従って整流回路の動作レベル(今回は1VMAXとしている)を替えることにより最適なダイオードも変わってくると思う。データシートを読みきれる人は、事前に検討しある程度選択できるのではないだろうか。私には難しいので実際に比較して最適なものを選択するという、時間のかかる方法で対応している。

 回路はOPアンプのNFB回路に4つのダイオードで全波整流して出力するものである。これにデジタルテスターを繋ぐものである。これにアナログメータを繋いでみたがまったく触れない。考えてみれば当然であるが、アナログメータ回路のインピーダンスが低すぎ増幅度が大きく下がってしまう。原回路は100K:100Kの1倍アンプであるが、これが100K:10Kというレベルになって増幅どころか、小さくなるのは当然である。

 実際の製作ではこの辺りを検討し直し抵抗値を決めた。2回路入りOPアンプ(TL082)J-FET入力OPアンプを使っている。1段目で必要な増幅度をレンジ切替できるようにNFB回路に半固定抵抗を設け(1V,300mA,100mA,30mA,10mAの5レンジ)ロータリースイッチで切り替える。
 また、入力には1Mオームの半固定抵抗とスイッチを儲け入力を1/10出来るようにしている。これにより1Vレンジで1/10スイッチを切り替えることによりMAX10Vまで測定できることになる。この半固定抵抗により入力インピーダンスは1MΩ近辺となる。


 メータはたまたまジャンクの200uAのAF-SG用のものがあったので使用している。このメーターはボルト表示とdB表示があり、ミリバルにぴったりである。このようなメータは入手は難しいと思う。たまたま昔ヤフオクで入手したものだ。普通の200uAメータで十分実用となる。また電流値が違うものを使用するときは、メータ回路のOPアンプの入力抵抗2.7KΩを調整することで対応できると思う。
 これで無線におけるAF回路もそれなりのレベルで製作できるようになる。デジタル全盛であるが、やはり調整等にはアナログメーターがまだまだ有用である。


 入力範囲  10VMAX
 レ ン ジ  10mA、30mA、100mA、300mA、1V、10V (6レンジ)
 周波数特性 100KHzで1%低下


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